外付けスピーカに内蔵するフィルタ実験
2015-03-09
漸く形になった外付けスピーカに、元のスピーカ同様フィルタを入れようと考えています。簡単な回路でも結構有効なことは、元のスピーカで実証済み・・・できれば、設計を含めてきちんと押さえておきたい部分ですが、試行錯誤的な実験で何とかしちゃうのがここのブログ主の悪い癖
LPFの設計は過去に何度もやっていますから、それこそ「計算通りに作りゃ動く」と言った代物・・・普通に考えればそうなんですが、どうもこのAF- LPFに限っては、算出された値に近い部品達で組んでもあまり上手くありません。どうも変な風に発振するというか、特にCWの場合は信号に同期して高い音調だと「チー」といった感じに、低いとブザー音のように歪んでしまいます。
これは、元のスピーカでも苦労した部分であり、コイルを抵抗でQダンプして逃げた経験があるんですが、この処置も実はあまり理に適っていないんですね。
常套手段としては、上にリンクを張った記事に書いてある通り「できるだけQを下げて設計=L多め」ということになるんだと思いますが、実はこのことをすっ かり忘れていて、「確か、算出値で作っても妙な歪みが出るんだよなぁ・・・」と思いつつひとまず算出値のまま組んだんですが、やはり・・・というか当ったり前ですが「妙な歪み」を再現
愚かな追試験をやった挙げ句に上手くいかず半日以上浪費・・・絶好の「引き籠もりの日曜日」が半分になってしまいました。折角「備忘録」を残しても、そのこと自体を忘れてしまってはねぇ
ところがどっこい、今回のようなフィルタ作りに威力を発揮する強力な助っ人がスタンバイ・・・そう、APB-3の登場です。この測定器は1MΩと50Ωのインピーダンス切替が付いています。そこで、1MΩの方を使ってフィルタの入出力に設計インピーダンスに合った抵抗を入れて整合を取ってやればOK。低周波も20Hzから上が測定できますから十分、十分
闇雲に組み替えるとまた遠回りしそうですから、まずはシミュレーションから。例によって・・・というか、未だに「Circuit Maker」を愛用していたりして

とりあえず、SSB受信の比較的狭いフィルタとして準備したいLPFをシミュレート。カットされ始める周波数(いわゆる3dB落ち)を大凡2KHzぐらいとイメージして、市販のコンデンサ容量(10μF)とした様子が上のスナップショットです。コイルはFT82-77に適当に巻き、「秋月のLCRメータ」(DE-5000)で実測しました。
ちなみに、同周波数で計算したLPFでは、コンデンサは同じ約10μFですが、コイルのインダクタンス値は約0.64mHと算出されました。計算値に比して、随分大きな値に落ち着いたことになります。
そうそう、ここでLCRメータのお話を一つ。
今回のコイルは、使用する周波数が低周波です。この場合、去年の暮れに苦労して再作したLCメータでは測定する際の周波数が高過ぎ、実際に使われる周波数(今回の場合は低周波領域)におけるインダクタンス値として上手く測定できません。そこで登場するのが、秋月LCRメータです。この測定器はL測定時の周波数が選択でき、特に1000Hzというお誂え向きのものまで付いていますから、今回の測定にはピッタリの仕様。
逆にこの測定器によるL測定の最高周波数は100KHzであり、HF帯の上の方では誤差が出そう。再作したLCメータの測定周波数は500KHzなんですが、これでも高い周波数で使うコイルの測定となるとかなりの誤差含みであると思います。まぁ、秋月LCRメータよりは「ちょっと上まで信用できそう・・・」といった程度でしょうかね
さて、本題。シミュレーションの正しさをAPB-3で見てやらないとね・・・。

ちょっとカーソル位置が悪かったかも知れませんが、ほぼ「-12dB/oct」で6KHzくらいまで落ちています。若干山なりになっていることから、Qが1以下であることが推測できます。通過帯域内の減衰量もほぼフラットになっていますね。ここでコイルのQを上げるべく、コイルを解きながら(インダクタンス値を小さくしながら)測定すると、このフラットな特性が暴れてきます。この挙動を利用して、「Qは低めでそこそのカットオフ特性のLPF」を何とかひねり出せそうです。
このフィルタをつないであれこれ聞いてみましたが、AM放送を聞くには「ちょっとこもり過ぎ」、SSBでは「ハイ側の混信減とノイズ減で了解度アップ、」、CWは「ノイズは低減したものの・・・」ってな塩梅。SSB用のLPFとして、狙った通りの特性となりました。
さぁ、こんな感じでLPFを3種、HPFを2種作って完了・・・なんですが、HPFはそもそも100Hz以下をあまり気にする必要はありませんから、π型にしなくてもイイ感じ(=そこまで切れなくても大丈夫)です。さぁ、どうしようかな・・・

LPFの設計は過去に何度もやっていますから、それこそ「計算通りに作りゃ動く」と言った代物・・・普通に考えればそうなんですが、どうもこのAF- LPFに限っては、算出された値に近い部品達で組んでもあまり上手くありません。どうも変な風に発振するというか、特にCWの場合は信号に同期して高い音調だと「チー」といった感じに、低いとブザー音のように歪んでしまいます。
これは、元のスピーカでも苦労した部分であり、コイルを抵抗でQダンプして逃げた経験があるんですが、この処置も実はあまり理に適っていないんですね。
常套手段としては、上にリンクを張った記事に書いてある通り「できるだけQを下げて設計=L多め」ということになるんだと思いますが、実はこのことをすっ かり忘れていて、「確か、算出値で作っても妙な歪みが出るんだよなぁ・・・」と思いつつひとまず算出値のまま組んだんですが、やはり・・・というか当ったり前ですが「妙な歪み」を再現


ところがどっこい、今回のようなフィルタ作りに威力を発揮する強力な助っ人がスタンバイ・・・そう、APB-3の登場です。この測定器は1MΩと50Ωのインピーダンス切替が付いています。そこで、1MΩの方を使ってフィルタの入出力に設計インピーダンスに合った抵抗を入れて整合を取ってやればOK。低周波も20Hzから上が測定できますから十分、十分

闇雲に組み替えるとまた遠回りしそうですから、まずはシミュレーションから。例によって・・・というか、未だに「Circuit Maker」を愛用していたりして


とりあえず、SSB受信の比較的狭いフィルタとして準備したいLPFをシミュレート。カットされ始める周波数(いわゆる3dB落ち)を大凡2KHzぐらいとイメージして、市販のコンデンサ容量(10μF)とした様子が上のスナップショットです。コイルはFT82-77に適当に巻き、「秋月のLCRメータ」(DE-5000)で実測しました。
ちなみに、同周波数で計算したLPFでは、コンデンサは同じ約10μFですが、コイルのインダクタンス値は約0.64mHと算出されました。計算値に比して、随分大きな値に落ち着いたことになります。
そうそう、ここでLCRメータのお話を一つ。
今回のコイルは、使用する周波数が低周波です。この場合、去年の暮れに苦労して再作したLCメータでは測定する際の周波数が高過ぎ、実際に使われる周波数(今回の場合は低周波領域)におけるインダクタンス値として上手く測定できません。そこで登場するのが、秋月LCRメータです。この測定器はL測定時の周波数が選択でき、特に1000Hzというお誂え向きのものまで付いていますから、今回の測定にはピッタリの仕様。
逆にこの測定器によるL測定の最高周波数は100KHzであり、HF帯の上の方では誤差が出そう。再作したLCメータの測定周波数は500KHzなんですが、これでも高い周波数で使うコイルの測定となるとかなりの誤差含みであると思います。まぁ、秋月LCRメータよりは「ちょっと上まで信用できそう・・・」といった程度でしょうかね

さて、本題。シミュレーションの正しさをAPB-3で見てやらないとね・・・。

ちょっとカーソル位置が悪かったかも知れませんが、ほぼ「-12dB/oct」で6KHzくらいまで落ちています。若干山なりになっていることから、Qが1以下であることが推測できます。通過帯域内の減衰量もほぼフラットになっていますね。ここでコイルのQを上げるべく、コイルを解きながら(インダクタンス値を小さくしながら)測定すると、このフラットな特性が暴れてきます。この挙動を利用して、「Qは低めでそこそのカットオフ特性のLPF」を何とかひねり出せそうです。
このフィルタをつないであれこれ聞いてみましたが、AM放送を聞くには「ちょっとこもり過ぎ」、SSBでは「ハイ側の混信減とノイズ減で了解度アップ、」、CWは「ノイズは低減したものの・・・」ってな塩梅。SSB用のLPFとして、狙った通りの特性となりました。
さぁ、こんな感じでLPFを3種、HPFを2種作って完了・・・なんですが、HPFはそもそも100Hz以下をあまり気にする必要はありませんから、π型にしなくてもイイ感じ(=そこまで切れなくても大丈夫)です。さぁ、どうしようかな・・・

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フィルター
こんばんは。
本格的ですね~。
フィルター内蔵で切り替え式でしょうか?
特性を見た限りでは上手く落ちてるように感じます。
明日からの荒天に備えてDPをまた引っ込めました(^^ゞ
本格的ですね~。
フィルター内蔵で切り替え式でしょうか?
特性を見た限りでは上手く落ちてるように感じます。
明日からの荒天に備えてDPをまた引っ込めました(^^ゞ
Qなのかなぁ・・・
EOSマンさん、こんにちは。
そうなんですよ。特性的には満足なんです。ただ、次の記事に書いたように、歪みがどうしても付いて回るんです・・・。まだ「試行錯誤」は続きます。
我が「ステルス君」ことベランダDPは軒下のため、案外風には強く、まさに「どこ吹く風」・・・ナンチャッテ(^^ゞ でも、ここ数日の風は手強そうですね。
そうなんですよ。特性的には満足なんです。ただ、次の記事に書いたように、歪みがどうしても付いて回るんです・・・。まだ「試行錯誤」は続きます。
我が「ステルス君」ことベランダDPは軒下のため、案外風には強く、まさに「どこ吹く風」・・・ナンチャッテ(^^ゞ でも、ここ数日の風は手強そうですね。