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Qの誤解と黒いどでかいコイル

2015-03-12      
 隔月開催の大嫌いな会議が早めに終わりました。「久しぶりに家族で外食」と早々と予定を決めてメール配信した後は、「歪んじゃうフィルタ」のことで頭が一杯の状態で電車に揺られていたところ、ちょっと間違いに気づきました。

 まず始めに、この歪みはコイルのQに関係がありそうと当たりをつけ、だったら「Qが下がる方向に調整すればよい」ということで整理していますから、あるLC値の組み合わせで歪んだら「Lを大きくしていけばよい」と考えていました。この根拠は、並列共振回路のQは「Lに反比例」の関係にあることを、LC回路の全てにおいて当て嵌まるものと鵜呑みにしていたからです。そして、この間違い記憶を決定づけちゃったのが元のスピーカの歪みを解決したときの記事です。

 この間違いにどうやって気づいたかというと、LCRのフィルタを計算してくれるサイトであれこれ試算している際、Q値が予想と逆に動くことで気づいた次第・・・。外食から帰って直ぐにトラ技スペシャルのNo.114を見返すと、以下のような図がありました。



 なるほど、QはLに比例して大きくなるのね・・・納得です。

 ・・・ということで、もう一つはコイルのQ値測定。

 FT82-77に巻いたものはコイル自体のQが高そうで、これで発振に近い状況になるんじゃないかという邪推を確信にすべく、コイル単体のQを測ってみました。



 真ん中のどでかいコイルは「LHL13NBxxx」の型番で秋月に売っているものです。黒いちびコイルが本当に小さく見えますね こいつと、その右側のFT82-77を使ったコイルのQを比較してみました。まずは、黒いどでかいコイルから。



 上の数値が実測したQ値です。測定周波数は1KHzですから、フィルタとして使う周波数付近で測っていることになります。さぁ、もう一方のFT82-77コイルはというと・・・



 なるほど、結構違いますね。この測定周波数に対するQ値は、それぞれ以下のような感じです。

測定周波数黒コイルFTコイル
120Hz0.806.49
1KHz6.3521.0
10KHz37.633.7
100KHz71.250.2
※関東なんで100Hzは未測定

 可聴周波数の上限は20KHz 程度までと言われていますが、ひとまず「10KHz」とすると、その辺りのQ値はあまり変わりません。ところが、逆に低い方のQ値は歴然の差・・・やはりQ値が高いと歪みを生じるということなんでしょうか
 どうも納得がいかないまま、ネットから情報を引っ張り出そうとサーフィン。すると、やはり鉄芯コイルは歪みを生じる要素を持っていて、特にトロイドの形状のもの(閉磁路鉄芯)は不利なよう・・・とまぁ、きちんと理屈にならないところまでで検索を打ち切りました。正に「どよよん」としてるでしょ ちょっとキーワードチックにまとめると、どうやら鉄芯の宿命であるヒステリシス損で直線性が失われて歪む・・・う~ん、書いていてもちっとも納得はできないんですが、少なくともQとは無縁のようですね。やれやれ、随分リキの入った徒労でしたが、低い周波数におけるコイルの挙動が垣間見られてまずまず満足・・・と負け惜しみ

 データを取り終わってから黒いどでかいコイルを軽く味見をしたら、やはり歪みは起こらない様子・・・理屈はともかく、外付けスピーカのフィルタとしてはこれでいきたいと思います。ってか、早く完成させないと
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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