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釣竿アンテナ用カップラのプチまとめ

2015-05-27      
 急なCM関連の「冷え込み」で、案外忙しく過ごしています。以前には考えられないような急激な暗転にも慣れっ子の部分があって、詰まるところ「営業活動の活性化」しかないため、異例の暑さとなった5月の都内をここ数日ウロウロしています。そんな中でもオツムの中は釣竿君用の新しいマッチングボックスのことで一杯・・・不良会社員丸出しでございます

 少し前の記事で釣竿君に使うカップラの概要まとめをした後、Lマッチの検討にいきなり足を踏み入れてしまった嫌いがあって、実際の検討を進めるのにもう少し前提が要るなぁと思うようになりました。今日は、クールダウンの意味でこの部分をまとめておくことにしました。

 ◆ 80mは「トランス+Tマッチ」が良さそう

 80mのアンテナの接続では、カップラと釣竿アンテナの間にローディングコイルを付加します。このコイルは手巻きで自作しますから、適当なボビン代わりの筒に必要な分の巻線を巻けば良いだけです。今いまは、この部分にどういうわけか馴染んでしまった緑コイル・・・化粧水などを入れるプラスチックのボトルにアルミ線を巻いたものを使っています。



 実は、今回のカップラ作りの序でにこのコイルとおサラバして、もう少しQの改善(ボビン径を太くする)+160mにも使えるようにするというコンセプトで作り直そうとしており、ボビン代わりの太い塩ビパイプを既に買ってある・・・にも拘らず実際の製作に入れないのは、ちょいと迷いがあるからなんですね

 コイルを新たに巻くわけですから必要なインダクタンスが無難に実現できればいいわけですが、これをスズメッキ線で作ると、ワニ口を使った「自由なタップ」が使えるようになり、当日の「地面や建物の含水状態」に連れて変動するインピーダンスに最適な接続ができるようになります。
 ところが、運用前または運用時点の天候によっては、雨上がりで乾いていく状態だったり、逆に急な雨で湿っていく状態だったりすると、運用中の再チューン・・・即ち「タップ切り替え」を逐次行わなければなりません。これを夜間運用主体の80mで行おうとすると、結構難儀なシチュエーション(暗いベランダで懐中電灯を頼りに・・・)であることは明白。少なくとも、現状はカップラのツマミをくるくる回してSWRを落とし込めば良いわけですから、この点から考えるとバリコンで調整できる今のスタイルが「作業の簡便さ」といった点では優っているでしょう。

 さらによくよく考えてみると、Lマッチによるカップラを仮に作ったとしても、こちらもかなり細かいタップの切り替えは必要になりますから、実際に扱い易い(特に、コンテストの最中など限られた時間に簡単操作で調整できる)代物にはならないんじゃないか・・・と思い始めたんですね。そして、TYPE-Ⅲのまとめの時点で投げ出してある「損失の最小化」を狙ったトロイダルコアを使ったトランスによるインピーダンス変換と、これまた損失ができるだけ少なくなるような設計に基づく「Tマッチ」の組み合わせの方が、「夜間のベランダであっという間に調整できる」という点でも優れているんじゃないかなぁ・・・という結論に辿りついちゃったんですよね。ごめんね、Lマッチ

 というわけで、釣竿アンテナ用マッチングボックスの80m部分は、「トランス+Tマッチ」に落ち着きそうです。そして、80m用の新コイルについては、タップが取れる・取れないは置いて「丈夫なものを作る」というのが第一のコンセプトになりそうです。

 ◆ 40mはまだ調査余地があるものの・・・

 釣竿君の40mは、80mよりかなり扱い易い諸元。というのは、アンテナとしての純抵抗分が概ね50Ω後半から60Ω前半といった塩梅になりますので、高い方へのインピーダンス変換が必要ですが、80mのように50Ωより低い方へ一旦下げるという必要がありません。つまり、Lマッチだけでも十分にマッチングが取れる可能性が大きいです。
 ただ、実際の運用においては80mと全く同じで、特にコンテスト参加時のシチュエーションでは、臨機な調整が必要な場面も考えられますから、ここは同じく「Tマッチ」の方が良さそう。というわけで、これで一件落着・・・となればよかったんですが、ちょっと懸念があります。

 少し前に釣竿アンテナのデータ整理としてまとめた中に、「ひょっとしたら、50Ωを下回るインピーダンスの場合があるのではないか」と疑えるデータがあります(この記事の2013年11月2日のデータ参照)。このデータでは、運用周波数で辛うじて50Ωを上回っていますがギリギリの状態です。
 TYPE-Ⅲでは、πC型の宿命である「一度下げてから上げる」というインピーダンス変換のからくりのため、設計・実測上は40Ω程度までマッチングできるようになっており、仮に多少50Ωを多少下回ったところで問題ないわけですが、今回はこの辺りを少し考えて設計しておかないと不味そうな雰囲気

 その上、このインピーダンス値の決定要素には、相変わらずFIXしていないカウンターポイズちゃんが絡むわ、雨天時の測定データが多くないわ・・・といった塩梅であり、どの程度のマージンが必要なのか決められんのですよね。神経質になるつもりはないんですが、やはりできるだけ事前検討は濃いめにした上で「作っては壊し・・・」を減らしたいんです。とは言え、ここいら辺りの試行錯誤は、あまり遠回りにはならないんじゃないかなぁ・・・と高を括っています

 少し具体的になったところで、そろそろ設計に入ろうかな・・・今週末の宿題ってところですね
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今週末は・・

おはようございます。
釣り竿アンテナも奥が深いんですね~。
参考になることがたくさんです。
今週末・・はWPXですよ~。
呼周りでどこまで出来るか・・ってところですね。
ま、仕事しながらの参加なのですが。
お互い頑張りましょう(^^)

マジ参戦はできず・・・

EOSマンさん、コメアリです。
釣竿アンテナというか、アパマンハムのアンテナ整合は難しいです。そういう意味では、市販のATUは優れものですね。
QRPでは特に、数dBの損失でも致命的ですから、工夫できるところはトコトン工夫したい・・・でも、見当外れも多くて、なかなか上手く行きません(^^ゞ
WPXはSSNが高くなさそうなんで、40m狙いかなぁと思っていますが、少し前にCME放出があったりで、当日のCONDXは果たして!?
因みに、月曜有休が取れず、このところ続けていた「フル参戦」はできませんが、顔は出したいと思います。
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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