Lマッチのコアの違いによるロスの測定
2015-06-07
土曜日定番の歯医者は昨日で治療が終了し、今後は三ヶ月刻みの定期検査・・・暫く楽になりそう
時間的にというより、精神的に楽になりそうです。
トランスとTマッチで構成しようとしている次作のアンテナカップラ・・・トランス部分は、直前記事で記した通り無視し得る程度のロスで収まりそうなことが解ったんで、次なるはTマッチの構成要素となるLマッチ部分のロスを測定してみました。

今回の測定は、前段のトランスによって一旦22Ω程度に下げられたインピーダンスをLマッチで50Ωに戻す格好で回路を構成し、トランス部分のロスを差し引いたものがLマッチ部分のロスという形で測定しました(直前記事の測定で得られたトランス部分のロスは凡そ-0.045dB)。

用意したのは#2材と#6材のそれぞれT37とT106という、ちょっと極端な組み合わせになっています。T37は自作機器への組み込みによく使うサイズ、T106の方はそこそこの電力を扱う場合のチョイス・・・といった感じで選んでいます。
測定周波数は3.5MHzです。この周波数におけるLマッチによる22Ω⇒50Ωのインピーダンス変換では、インダクタンスは約1.13μHが必要であり、個々のコイルはこのインダクタンス値に近い巻き数で折り合いを付け、バリコンは凡そ1018pFで固定しておいてロスを測定しました。この実験自体、あまり突飛な結果が得られるとは思えなかったんですが、その通り、あまり面白い結果ではありませんでした。
<3.5MHz 22.2Ω⇒50Ω>
測定周波数より「#2材の方が有利」と思っていたら、サイズに関係なくその通りの結果になっています。サイズが小さい方がロスが小さいのは、巻き線の長さに起因する「銅損」の差(T37の方が11,2cmほど巻き線が短い)と思われます。また、同じ径の場合も、巻き線長に依存してロスが増えている形になりますが、T106で1回しか違わない(巻き線長にして3cm程度しか変わらない)にも関わらずロスが大きく違っているのは、邪推するにコイル自体のQの差によるものではないか・・・ということで、7MHzで同様の測定をしました。必要なインダクタンス値は0.565μHです。
<7MHz 22.2Ω⇒50Ω>
T37-xについては、ロスの量が3.5MHzと逆転しています。この両周波数とも、必要なインダクタンスを得るための巻き数として比較的バランスの取れたものになっていて、HFのローバンドでは#2材、7MHz辺りから上は#6材が「Good Choice」であることを裏付けた格好になりました。これは、個々のコア材における「Qが高くなる美味しい部分」を使うことでロスが減ったものと思います。
一方のT106-xについては、コアの大きさに対する巻き数があまりに少なくなり、所定の特性が出なくなっています。T106-2は透磁率が高い分、何とかギリギリの特性を保ったと言えそうです。
この測定結果から、トロイダルコアで作るLマッチについては総じて目くじらを立てる程のロスは無く、「1つ辺り0.1dB程度のロスがある」と見積もっておけば「お釣り」が来そうです
勿論、もっと小さなコアや高い周波数ではこの理屈は通用しないんでしょうが、T37サイズは今後もよく使うものと思われ、QRP機の自作もHFメインでしょうから、期せずしていいデータが採れたと思います。
また、アンテナカップラに採用する場合には、7MHzのT106-6のパターン(サイズに対して巻き数が少な過ぎる)にならないように考慮する必要がありそうです。
面白いデータではなかったものの役には立ちそう・・・夜更かしし過ぎ(もう03時前)ですが、まぁヨシとしましょうかね

トランスとTマッチで構成しようとしている次作のアンテナカップラ・・・トランス部分は、直前記事で記した通り無視し得る程度のロスで収まりそうなことが解ったんで、次なるはTマッチの構成要素となるLマッチ部分のロスを測定してみました。

今回の測定は、前段のトランスによって一旦22Ω程度に下げられたインピーダンスをLマッチで50Ωに戻す格好で回路を構成し、トランス部分のロスを差し引いたものがLマッチ部分のロスという形で測定しました(直前記事の測定で得られたトランス部分のロスは凡そ-0.045dB)。

用意したのは#2材と#6材のそれぞれT37とT106という、ちょっと極端な組み合わせになっています。T37は自作機器への組み込みによく使うサイズ、T106の方はそこそこの電力を扱う場合のチョイス・・・といった感じで選んでいます。
測定周波数は3.5MHzです。この周波数におけるLマッチによる22Ω⇒50Ωのインピーダンス変換では、インダクタンスは約1.13μHが必要であり、個々のコイルはこのインダクタンス値に近い巻き数で折り合いを付け、バリコンは凡そ1018pFで固定しておいてロスを測定しました。この実験自体、あまり突飛な結果が得られるとは思えなかったんですが、その通り、あまり面白い結果ではありませんでした。
<3.5MHz 22.2Ω⇒50Ω>
コアの種類 | 巻数 | ロス |
T37-2 | 16 | -0.052dB |
T37-6 | 19 | -0.062dB |
T106-2 | 9 | -0.083dB |
T106-6 | 10 | -0.141dB |
測定周波数より「#2材の方が有利」と思っていたら、サイズに関係なくその通りの結果になっています。サイズが小さい方がロスが小さいのは、巻き線の長さに起因する「銅損」の差(T37の方が11,2cmほど巻き線が短い)と思われます。また、同じ径の場合も、巻き線長に依存してロスが増えている形になりますが、T106で1回しか違わない(巻き線長にして3cm程度しか変わらない)にも関わらずロスが大きく違っているのは、邪推するにコイル自体のQの差によるものではないか・・・ということで、7MHzで同様の測定をしました。必要なインダクタンス値は0.565μHです。
<7MHz 22.2Ω⇒50Ω>
コアの種類 | 巻数 | ロス |
T37-2 | 12 | -0.070dB |
T37-6 | 14 | -0.038dB |
T106-2 | 6 | -0.063dB |
T106-6 | 7 | -0.223dB |
T37-xについては、ロスの量が3.5MHzと逆転しています。この両周波数とも、必要なインダクタンスを得るための巻き数として比較的バランスの取れたものになっていて、HFのローバンドでは#2材、7MHz辺りから上は#6材が「Good Choice」であることを裏付けた格好になりました。これは、個々のコア材における「Qが高くなる美味しい部分」を使うことでロスが減ったものと思います。
一方のT106-xについては、コアの大きさに対する巻き数があまりに少なくなり、所定の特性が出なくなっています。T106-2は透磁率が高い分、何とかギリギリの特性を保ったと言えそうです。
この測定結果から、トロイダルコアで作るLマッチについては総じて目くじらを立てる程のロスは無く、「1つ辺り0.1dB程度のロスがある」と見積もっておけば「お釣り」が来そうです

また、アンテナカップラに採用する場合には、7MHzのT106-6のパターン(サイズに対して巻き数が少な過ぎる)にならないように考慮する必要がありそうです。
面白いデータではなかったものの役には立ちそう・・・夜更かしし過ぎ(もう03時前)ですが、まぁヨシとしましょうかね

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