80m用カップラ検討完了
2015-06-13
結構な遠回りを経て、漸く80m用のカップラ部分について検討を終えようと思います。ALL JAが終わってから検討を始めましたから、結局丸1ヶ月も・・・まぁ、仕方が無いですね
プチ実験を含めたLマッチを中心とした検討を行い、「トロイダルコアによるインピーダンス変換とTマッチの組み合わせ」に辿り着いたんですが、Lマッチ部分のロスが思いの外少なかったことから、トロイダルコアによるインピーダンス変換を前置する必要性も薄れてしまい、結局以下のような形になりました。

Lマッチの先にリアクタンスを何とかするためのコンデンサ「VC2」を設けただけのものです。アンテナ側の条件は、現状の釣竿君@80mの諸元データより決めています。
純抵抗は25-38Ω・・・これはLマッチ部分の設計条件になり、定数自体は計算で求められますが、コイルのインダクタンス値も変化させなければなりません。タップを取って細かく調整するのは少々難儀ですので、今回はこの部分をVC2にやらせる格好で解決します。

Lマッチの変換条件は、TRX側の50Ωから25-38Ωへの変換を行うため、最大で1.14μH、最小で0.97μHが必要。仮に、コイルを1.14μHになるように巻けば、最小値との差分である「0.17μH」を打ち消すような容量のバリコンを直列に入れて調整できるようにすればよいわけですね。このバリコンにより「必要な打ち消し量に調整可能」とすることで、コイルのタップ切替の代用として使えます。グラフには、お遊びでL,Cの値の動きとQ値を入れてありますが、特に他意はありませんよ
上記の図より求められた余計なインダクタンスの打ち消しに必要なキャパシタンスは「最大3.7Ω」と求めることができました。これを容量換算すると凡そ12000pF余りというかなり大きな値・・・これでは上手くありませんが、これは一旦置いておきましょう。
VC2の役割としては、もう一つ重要なこと・・・アンテナのリアクタンス成分を打ち消す役割が必要です。ここ一連の検討で「電気的に長めのアンテナ」にすることで運用周波数で必ず「インダクティブ」になるアンテナを前提にすると決めましたが、この値を現状の釣竿君@80mにおける「3.3MHz付近に同調点がある場合のリアクタンス値」(この詳細は、既に記事にまとめてあります)を前提に最大「250Ω」としました。
ここで、先に求めたタップ代わりのキャパシタンス値を合成します。ここは単純な足し算で求められますから、VC2の可変範囲は3.7Ω~253.7Ωと求められますが、これでは「12000pF問題」は解決しませんね。そこで、VC2の値が巨大にならないよう、ちょっと「下駄」を履かせてみましょう。
先に求めたタップ代わりのキャパシタンス値は、Lマッチに必要な最大値(1.14μH)を基準に考えて3.7Ωを導き出しましたが、例えばこれに10Ω分の下駄を履かせると、調整範囲は13.7Ω~263.7Ωになります。これを容量換算すると、その最大値(13.7Ωのキャパシタンスをコンデンサ容量に換算)は3300pF余りへとかなり小さくできます。この調子で数値を探っていくと・・・。
下駄を40Ω乃至50Ωにした場合に、二連のエアバリコンぐらいの容量で可変できることが分かりましたので、間を取って(
)45Ωの下駄を履かせることにします。最終的には、Lマッチで必要なインダクタンス値(1.14μH)に、48.7Ω相当のインダクタンス(2.22μH)を加えたものが、このカップラのコイルに必要なインダクタンスになります。
これらをまとめるべく、回路図として完成させました。

バリコンの最小容量には、数十pFの残留容量が存在します。手持ちの単連(VC1用)と二連(VC2用)を調べてみると、単連で13pF、二連で22pF(単連あたり11pF)となっていました。この回路では、その分を差し引いた上で市販のコンデンサ容量で賄えるように考慮してありますから、このまま製作すればきっと上手くいくでしょう
できてしまえば「たったこれだけ・・・」なんですが、紆余曲折たるプチ実験やヘッポコ検討にも、自分の理解を含める事柄がたくさんありました。お次は40m・・・また違ったコンセプトが必要ですが、ユルユルと検討を進めたいと思います。

プチ実験を含めたLマッチを中心とした検討を行い、「トロイダルコアによるインピーダンス変換とTマッチの組み合わせ」に辿り着いたんですが、Lマッチ部分のロスが思いの外少なかったことから、トロイダルコアによるインピーダンス変換を前置する必要性も薄れてしまい、結局以下のような形になりました。

Lマッチの先にリアクタンスを何とかするためのコンデンサ「VC2」を設けただけのものです。アンテナ側の条件は、現状の釣竿君@80mの諸元データより決めています。
純抵抗は25-38Ω・・・これはLマッチ部分の設計条件になり、定数自体は計算で求められますが、コイルのインダクタンス値も変化させなければなりません。タップを取って細かく調整するのは少々難儀ですので、今回はこの部分をVC2にやらせる格好で解決します。

Lマッチの変換条件は、TRX側の50Ωから25-38Ωへの変換を行うため、最大で1.14μH、最小で0.97μHが必要。仮に、コイルを1.14μHになるように巻けば、最小値との差分である「0.17μH」を打ち消すような容量のバリコンを直列に入れて調整できるようにすればよいわけですね。このバリコンにより「必要な打ち消し量に調整可能」とすることで、コイルのタップ切替の代用として使えます。グラフには、お遊びでL,Cの値の動きとQ値を入れてありますが、特に他意はありませんよ

上記の図より求められた余計なインダクタンスの打ち消しに必要なキャパシタンスは「最大3.7Ω」と求めることができました。これを容量換算すると凡そ12000pF余りというかなり大きな値・・・これでは上手くありませんが、これは一旦置いておきましょう。
VC2の役割としては、もう一つ重要なこと・・・アンテナのリアクタンス成分を打ち消す役割が必要です。ここ一連の検討で「電気的に長めのアンテナ」にすることで運用周波数で必ず「インダクティブ」になるアンテナを前提にすると決めましたが、この値を現状の釣竿君@80mにおける「3.3MHz付近に同調点がある場合のリアクタンス値」(この詳細は、既に記事にまとめてあります)を前提に最大「250Ω」としました。
ここで、先に求めたタップ代わりのキャパシタンス値を合成します。ここは単純な足し算で求められますから、VC2の可変範囲は3.7Ω~253.7Ωと求められますが、これでは「12000pF問題」は解決しませんね。そこで、VC2の値が巨大にならないよう、ちょっと「下駄」を履かせてみましょう。
先に求めたタップ代わりのキャパシタンス値は、Lマッチに必要な最大値(1.14μH)を基準に考えて3.7Ωを導き出しましたが、例えばこれに10Ω分の下駄を履かせると、調整範囲は13.7Ω~263.7Ωになります。これを容量換算すると、その最大値(13.7Ωのキャパシタンスをコンデンサ容量に換算)は3300pF余りへとかなり小さくできます。この調子で数値を探っていくと・・・。
下駄(Ω) | キャパシタンス値(Ω) | 容量(pF) | ||
最小値 | 最大値 | 最大値 | 最小値 | |
0 | 3.7 | 253.7 | 12290.0 | 179.2 |
10 | 13.7 | 263.7 | 3319.2 | 172.4 |
20 | 23.7 | 273.7 | 1918.7 | 166.1 |
30 | 33.7 | 283.7 | 1349.3 | 160.3 |
40 | 43.7 | 293.7 | 1040.6 | 154.8 |
45 | ★48.7 | 298.7 | 933.7 | 152.2 |
50 | 53.7 | 303.7 | 774.7 | 147.3 |
60 | 63.7 | 313.7 | 661.9 | 142.7 |
下駄を40Ω乃至50Ωにした場合に、二連のエアバリコンぐらいの容量で可変できることが分かりましたので、間を取って(

これらをまとめるべく、回路図として完成させました。

バリコンの最小容量には、数十pFの残留容量が存在します。手持ちの単連(VC1用)と二連(VC2用)を調べてみると、単連で13pF、二連で22pF(単連あたり11pF)となっていました。この回路では、その分を差し引いた上で市販のコンデンサ容量で賄えるように考慮してありますから、このまま製作すればきっと上手くいくでしょう

できてしまえば「たったこれだけ・・・」なんですが、紆余曲折たるプチ実験やヘッポコ検討にも、自分の理解を含める事柄がたくさんありました。お次は40m・・・また違ったコンセプトが必要ですが、ユルユルと検討を進めたいと思います。
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