DDS用外部LOの失敗
2015-08-24
先週末はハムフェアでしたが、今年は結局行かず終い。そもそも少し前から行くか否か迷っていたものの、土曜日の時点で「日曜に行こう」とは思ったんですが、中華DDSの外部クロックの「ちゃんとした版」に手を染めたらそちらの方にのめり込んでしまったというオチ
その上、あまり芳しくない結果・・・まぁこれも「修行の一幕」として、この記事にまとめておきましょうかね。
DDSの外部LOは、制御するPICに無茶な計算(乗算)をさせないように「キリの良い周波数」で発振させようと以前から画策し、「171.79869184MHz」(0.04Hzの2^32倍)を得るために28.3636MHzの水晶を6逓倍して近似の周波数を得て微調整しよう・・・と考えました。回路上の各部位に課題はありましたが、安定な3逓倍回路や7Kボビンによる171MHzのBPFなどの実験を経て回路を引いた上で、割と自信を持って組んだのがこの勇姿。

これは非常に安定に発振したものの、結果的に「とある部分」の考慮漏れで出力が全然足りないことに・・・。後学のために、回路図に実測した信号レベルをを付記したものを晒しておきます。

まず、最初の発振出力レベルはギリギリの及第点・・・ダイオードダブラへの印加レベルとしては+7dBm以上が良いよう(@トロ活)ですが、+2dBmくらいでも10dBダウン程度の「2逓倍」された出力が出るはずと予測(これも@トロ活)。すると、凡そ12dBダウン程度の出力が得られました(後続のATTを加味して凡そ15dBダウン)。
さて、ここですっかり忘れていたのが7KボビンのBPFのロス
このBPFで凡そ10dBほどロスっています
何たる設計ミス・・・。さらにバッファアンプのゲインが10dB程度しかない・・・ということで、結果的に-14dBmという何ともひ弱な出力となってしまいました
この後、終段のタンク回路のインピーダンス変換度合いを疑って、図中の矢印の部分から小容量(39pF)のコンデンサで出力すると、-8dBm程度まで出力は上昇(これでこのバッファのゲインは+15dBほどとなりほぼ設計通り)したものの、+数dBm欲しいところでは梨の礫
折角検証したBPFのロスの考慮漏れでこの回路は「没」になりましたが、皮肉なことに非常に安定して発振しています。折角ですから、この辺りの様子も「スペアナモドキ」で覗いてみました。まずは発振周波数付近。

近傍には特にスプリアスは無さそう。続いて500MHzまで。

環境依存の200MHz帯の2本(20MHz辺りと50MHzちょい上の奴もそうです)を除くと、2逓倍前の信号(約-48dBm)と2倍高調波(約-40dBm)が見えており、前者はダイオードダブラの横に仮置きでシールド板を立てると(一番上のスナップで広めの「空き地」があるところ)、ノイズフロアと同レベルまで落ちました。つまり、出力レベル以外は「総じて良好なLOが出来た」ということ・・・本当に残念無念
この回路の出力不足はそれこそ「もう一石」で解決できますが、直前の実験で「5逓倍の180MHz」でDDSを動かすことが出来たことも踏まえて考えると、DDSの発振対象周波数帯にスプリアスが存在しない「一気にローカル発振方式」も魅力的
DDS制御のPICを高速に動かして、「乗算」(或いは、乗算っぽいソフト論理)を背負わせてもいいかなぁ・・・と思い始めました。実際の計算ロジックの処理速度を測定してみようかな

DDSの外部LOは、制御するPICに無茶な計算(乗算)をさせないように「キリの良い周波数」で発振させようと以前から画策し、「171.79869184MHz」(0.04Hzの2^32倍)を得るために28.3636MHzの水晶を6逓倍して近似の周波数を得て微調整しよう・・・と考えました。回路上の各部位に課題はありましたが、安定な3逓倍回路や7Kボビンによる171MHzのBPFなどの実験を経て回路を引いた上で、割と自信を持って組んだのがこの勇姿。

これは非常に安定に発振したものの、結果的に「とある部分」の考慮漏れで出力が全然足りないことに・・・。後学のために、回路図に実測した信号レベルをを付記したものを晒しておきます。

まず、最初の発振出力レベルはギリギリの及第点・・・ダイオードダブラへの印加レベルとしては+7dBm以上が良いよう(@トロ活)ですが、+2dBmくらいでも10dBダウン程度の「2逓倍」された出力が出るはずと予測(これも@トロ活)。すると、凡そ12dBダウン程度の出力が得られました(後続のATTを加味して凡そ15dBダウン)。
さて、ここですっかり忘れていたのが7KボビンのBPFのロス



この後、終段のタンク回路のインピーダンス変換度合いを疑って、図中の矢印の部分から小容量(39pF)のコンデンサで出力すると、-8dBm程度まで出力は上昇(これでこのバッファのゲインは+15dBほどとなりほぼ設計通り)したものの、+数dBm欲しいところでは梨の礫

折角検証したBPFのロスの考慮漏れでこの回路は「没」になりましたが、皮肉なことに非常に安定して発振しています。折角ですから、この辺りの様子も「スペアナモドキ」で覗いてみました。まずは発振周波数付近。

近傍には特にスプリアスは無さそう。続いて500MHzまで。

環境依存の200MHz帯の2本(20MHz辺りと50MHzちょい上の奴もそうです)を除くと、2逓倍前の信号(約-48dBm)と2倍高調波(約-40dBm)が見えており、前者はダイオードダブラの横に仮置きでシールド板を立てると(一番上のスナップで広めの「空き地」があるところ)、ノイズフロアと同レベルまで落ちました。つまり、出力レベル以外は「総じて良好なLOが出来た」ということ・・・本当に残念無念

この回路の出力不足はそれこそ「もう一石」で解決できますが、直前の実験で「5逓倍の180MHz」でDDSを動かすことが出来たことも踏まえて考えると、DDSの発振対象周波数帯にスプリアスが存在しない「一気にローカル発振方式」も魅力的


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