ちょっとオンボロなリターンロスブリッジの製作
2015-09-26
随分以前になってしまいましたが、HFハイバンドのノイズ撃退を進めていた際にノイズのピックアップ用のアンテナとして、通称「Mini-Whip」・・・FETを使ったアクティブアンテナをあれこれ弄っていました。この時、採用したRFCの挙動によりHF帯の高い周波数部分があまり良好で無いという経験をしました。いわゆる「コイルの自己共振より高い周波数では、キャパシティブな特性が表れて見かけのインピーダンスが下がってしまい、折角の受信信号が減衰してしまう」という至極当たり前のことを目の当たりにしただけなんですが、RFCに関しては「あまり検討せずに採用しちゃ不味いんだな・・・」という部分を痛感しました。
その後、気付けばAPB-3という強力な武器を入手し、HF帯におけるコイルの挙動がある程度きちんと観測できる環境にあるにもかかわらず、リターンロスブリッジを準備するのをサボっていてこの辺りの実験をしていませんでした。
一方、現在製作途上のSGでは個々の機能ブロック間のデカップリングの善し悪しが、最終的な出力信号の「綺麗さ」に関わる重要なファクターです。つまり、電源の引き回しで必ず必要十分なインダクタ(+パスコン)を挿入し、余計なノイズを引っ張り込まないよう考える必要があります。この辺りは組んでしまってからガチャガチャ弄くり倒すより、事前の実験である程度見極めておきたいところ。
・・・というわけで、急に必要に迫られる格好で(
)昨晩から「廃材利用」でリターンロスブリッジのでっち上げ開始。最初は、「トロ活」の通りに組んだんですが、低域(HF帯の下の方)の特性が気に入らずあれこれ試行錯誤していたら夜が更け過ぎ(気付けば03時半
)、朝起きてから検出ポートにトランスを追加して完成としました。

50Ωの抵抗は、100Ωの小型の金属被膜から2本組みで50Ωになるものをテスターで選別しました。ケースは余計な穴の開いた小型ケース、BNCコネクタもケース等に取り付ける「4つ穴タイプ」と「ネジ式」の混成という格好になりました。

右のコネクタの直ぐ上に穴が開いているのが見えちゃってますね
この辺りがポンコツの所以ですが、まぁ「空気穴」ということで勘弁して下さい(誰に謝ってるんだ
)。続いて、測定風景はこんな感じ。

余計なものがあって見難いですね
そこで、測定治具だけスナップしました。

BNCコネクタにワニ口を取り付けました。芯線の方は、ワニ口に半田付けしたスズメッキ線の先に尖ったピンを接続・・・引っ張ると抜けます。総じて、まずまずコンパクトに仕上がったと思います
さて、肝心の特性ですが、まずはAPB-3でHF帯を調査。オープン状態のロスを正規化基準としています(測定端子には50Ωのダミーを接続)。

とりあえず1.9MHzから28MHzは-40dB以下を満足・・・SWR換算で1.02以下ということになるんで、普通の測定では問題にならないでしょう。トロ活回路では、HFの下の方で-40dB以下には持って行けなかったんで、追加したトランス(回路図中のT2)の効果は大きいようです。45MHz辺りから上はAPB-3自体の測定上限に近づいていることから、大きな誤差を含んでいると思っていいでしょう。さらなる高域特性は、スペアナモドキで(これも、オープン状態で正規化)。

このデータを信じるとすれば、250MHz辺りまでは概ね-35dB・・・SWR換算で1.036程度となりますが、この辺りまでは使えると思っていいでしょう。作りっぱなしにしては上出来ですね
もう少しトランス部を吟味し、かつ内部的に50Ωから暴れないように造作すれば、低域・高域共にもう1クラス上のものが作れそうですが、ひとまずこれを「My電子工作標準治具」として使ってみることにします。
その後、気付けばAPB-3という強力な武器を入手し、HF帯におけるコイルの挙動がある程度きちんと観測できる環境にあるにもかかわらず、リターンロスブリッジを準備するのをサボっていてこの辺りの実験をしていませんでした。
一方、現在製作途上のSGでは個々の機能ブロック間のデカップリングの善し悪しが、最終的な出力信号の「綺麗さ」に関わる重要なファクターです。つまり、電源の引き回しで必ず必要十分なインダクタ(+パスコン)を挿入し、余計なノイズを引っ張り込まないよう考える必要があります。この辺りは組んでしまってからガチャガチャ弄くり倒すより、事前の実験である程度見極めておきたいところ。
・・・というわけで、急に必要に迫られる格好で(



50Ωの抵抗は、100Ωの小型の金属被膜から2本組みで50Ωになるものをテスターで選別しました。ケースは余計な穴の開いた小型ケース、BNCコネクタもケース等に取り付ける「4つ穴タイプ」と「ネジ式」の混成という格好になりました。

右のコネクタの直ぐ上に穴が開いているのが見えちゃってますね



余計なものがあって見難いですね


BNCコネクタにワニ口を取り付けました。芯線の方は、ワニ口に半田付けしたスズメッキ線の先に尖ったピンを接続・・・引っ張ると抜けます。総じて、まずまずコンパクトに仕上がったと思います

さて、肝心の特性ですが、まずはAPB-3でHF帯を調査。オープン状態のロスを正規化基準としています(測定端子には50Ωのダミーを接続)。

とりあえず1.9MHzから28MHzは-40dB以下を満足・・・SWR換算で1.02以下ということになるんで、普通の測定では問題にならないでしょう。トロ活回路では、HFの下の方で-40dB以下には持って行けなかったんで、追加したトランス(回路図中のT2)の効果は大きいようです。45MHz辺りから上はAPB-3自体の測定上限に近づいていることから、大きな誤差を含んでいると思っていいでしょう。さらなる高域特性は、スペアナモドキで(これも、オープン状態で正規化)。

このデータを信じるとすれば、250MHz辺りまでは概ね-35dB・・・SWR換算で1.036程度となりますが、この辺りまでは使えると思っていいでしょう。作りっぱなしにしては上出来ですね

もう少しトランス部を吟味し、かつ内部的に50Ωから暴れないように造作すれば、低域・高域共にもう1クラス上のものが作れそうですが、ひとまずこれを「My電子工作標準治具」として使ってみることにします。
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