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ショットキーに救われた電源製作

2015-10-15      
 ここ数日でめっきり秋めいた気がします。かしましかった虫の音が少しまばらとなってしんとなる瞬間に、秋の深さを垣間見ます。未だ日中は20度を超えて、エアコンが切られた電車内では汗ばむ程ですが、朝晩は流石に気温が下がりますね・・・と、こんな調子で風流に始めてみたこの記事ですが、やはり「ヘッポコ工作上等」・・・毎度お馴染みの失敗談を書かずにはいられません

 APB-3周りの環境整備ということで、実は専用電源を作ろうと思い立ったのは10月に入った頃。APB-3の過大入力対策を終え、どうせならノイズの発生が気になる5Vのスイッチング電源をシリーズ電源に替えようと、過日、6.3V-1Aのトランスと小さなケースを買ってきたのが、今回お送りする失敗談の始まりです。

 過去に作ったトランス式の電源では、トランスの出力電圧と直流電源としての出力電圧の間にもう少し余裕があってあまり気にしたことが無かったんですが、今回はあり合わせの手持ち部品で組もうと、最初にチョイスした三端子レギュレータが「L7805CV」でした。ケース加工と配線を終えて通電してみると、無負荷では無論5Vの直流が出てくるわけですが、APB-3を接続して波形を見ると、何やら見たことも無いような酷い波形になってるんですよ、これが
 始めはレギュレータの発振を疑って、パスコンの容量をあれこれ変えてみましたが改善せず。オシロで観ても特に発振している様子も無し。そこで、テスターで動作時の電圧を測ってみると(っていうか、調べてみる順序が逆な気もしますね)、これが全く「安定化していない」ということが判明しました。

 結局、レギュレータのドロップ電圧の考慮が足りなかったことが原因と特定して手持ちのLM2940に換装すると、かなり改善するものの根治には至らず。これでも、4.6V程度まで下振れする瞬間があるんです 突入的な電流に引っ張られて起きるのは明白。トランスをもう少し出力電圧が高いもの・・・例えば9V-1A程度のトランスに換装すればいけるわけですが、加工が完全に終わっているケースには入らなそう、かつ折角のケースを無駄にはできません。何とかしなければと思いつつも、ACAGを迎えるため工作机を運用机に模様替えし、一旦部品の山の中に埋もらせました。

 ACAG直前の朝、通勤途上に「電源動かん、ケース決めちゃってもう少し容量に余裕のあるトランスが入れられない・・・」と憂さ晴らしツイートしたら、暫くして「ダイオードブリッジをショットキーに替えて、電圧降下を最小にしたら」という有り難きお言葉を、もうかれこれ三十年以上のお付き合いになる旧ローカルのとおちゃん(仮称)から頂きました。なるほど、普通のシリコンダイオードタイプのブリッジよりかなり有利なことは明白・・・というわけで、まずはデータシートをぶつけっこしてみました。

 まず、最初にこの電源製作を始める際に部品箱から何の検討も無しに取り出しましたるは、いつ手に入れたか全く覚えていない古~いブリッジ「WO6」です。このブリッジ内のダイオードの順方向特性を見てみると・・・



 今回の電源の最大出力電流を0.8Aと仮定して線引きすると、0.85Vほどの電圧降下があるようです。ブリッジ整流の場合、2つのダイオード分になりますから、1.7Vもの降下があるわけですね。一方、秋月のHPで見つけたお誂え向きなダイオード「SB240LES」はどうかというと・・・



 同じ条件の0.8Aにおける電圧降下は0.36V程度、ダイオード2本分で0.72Vくらいでしょうか。こうなると、このダイオードでブリッジを組んだものとWO6では、1Vくらいの差が生じることになリます。これはでかいですよね

 今日は、仕事の合間に秋月に寄って「SB240LES」を買って帰り、早速換装しました。



 何で5本かって 残り在庫が5本だったので買い占めました まぁ、1本は「予備」です。そして、きちんと組み直してAPB-3を接続。問題ないことを確認して数時間ランニングさせていますが、ケースがほんわかと温かくなる程度。フタを開けてトランスを触ると結構熱くなっていますが、まぁこんなもんでしょう。

 どんな面構えかというと・・・・



 APB-3の上に乗ります・・・って、別に乗せなくてもいいんですが、狭い工作机を少しでも広く使おうという魂胆で小さめケースに拘りました。メータはおまけで。目盛り部分を印刷して貼り替えようかとも思いましたが、赤文字で「100%」の印の所にとりあえず合わせておきました。

 一方、裏側は・・・



 イッパシの「電源の裏面」になってるでしょ

 いやぁ、今回の工作はまさに「神のお告げ」で完成したようなもの。無駄にならずに済んでよかったなぁ・・・と、胸をなで下ろしている次第。最後に備忘録として回路図も上げておきましょうか。



 さぁ、寝ましょうかね

差し替え 2015/10/17:
 回路図にパイロットランプ用のLEDがないことに気付きました。まぁ、大したことじゃないんだけど、とりあえず回路図を差し替え。

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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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