APB-3のスペアナモードの周波数特性補正
2016-07-03
昨日は大きな宴会があり、午前中から夕方まで飲んでいました。流石に夕飯を食べたら爆睡
で今日は完全なる休息日・・・本当はプチ実験を画策していたんですが、水が低いところに流れるが如く(
)手元でできる簡単なことに着手。これとて直前記事で足を洗ったはずなのにやはり気になる部分は気になる・・・ということで、題名の通りさらなるAPB-3 のソフト改良を行いました。
直前記事ではAPB-3のスペアナモードにおいて測定対象周波数・・・1MHzから40MHzの測定時の電力値について検証し、10MHz以上での感度低下が結構あることが判りました。これは、AD変換による測定では仕方がないところであり、ひとまずその様子をきちんと知っておきたかったわけです。
一方、周波数の基準となるクロックの微調整を行うべくAPB-3のPC上の制御ソフトに手を入れ始めたら、自分なりのアレンジが利くことが判り、この感度低下の補正にまで手を出そうと思い立ちました。
まず、例によってSGの出力を基準に見立て、この電力とスペアナモードの表示電力のズレを周波数毎に偏差としてまとめてみました。

これを見ると、1MHzから20MHzまでは±0.3dB程度の偏差にまとまっています。しかし、30,40MHzは感度低下が顕在化していることがはっきり判りますね。また、(-5dBmから)-60dBmのぐらいまで測定電力では、各周波数における偏差がかなりリニアです。そこで、-10dBmから-60dBmまでの値を使って各周波数で平均を取り、この値で近似式を導いてみました。この辺りはExcel の十八番

比較的綺麗な近似曲線が描けています。プログラムの修正は、この多項式をグラフ表示のデータ生成部分に埋め込めばいいんですが、後々さらに微調整する場合を考慮して、この式から導き出される「MHz単位の値」で配列データを作っておき、これを参照して補正する形としました。また、10MHzを正規化基準とするため、10MHzでの偏差が「0」になるように全体の値を少し小さくしました。
本日午後からチマチマと作業し、夕方にはプログラム改修は終わりました。ソースプログラムの改修の様子は面倒なんでアップしません

各周波数の偏差が-60dBmまででは±0.1dBチョイ程度まで補正することができました。これで、発振器の高調波測定などのポピュラーな測定には十分でしょう。また、-60dBm以下の電力測定においても、±0.3dBm程度には納めることができました。もう少し追い込むこともできますが、ひとまずはこの辺りで留めたいと思います。
直前記事で打ち止めの予定だったAPB-3の改修・・・本当にお開きにしたいんだけどなぁ


直前記事ではAPB-3のスペアナモードにおいて測定対象周波数・・・1MHzから40MHzの測定時の電力値について検証し、10MHz以上での感度低下が結構あることが判りました。これは、AD変換による測定では仕方がないところであり、ひとまずその様子をきちんと知っておきたかったわけです。
一方、周波数の基準となるクロックの微調整を行うべくAPB-3のPC上の制御ソフトに手を入れ始めたら、自分なりのアレンジが利くことが判り、この感度低下の補正にまで手を出そうと思い立ちました。
まず、例によってSGの出力を基準に見立て、この電力とスペアナモードの表示電力のズレを周波数毎に偏差としてまとめてみました。

これを見ると、1MHzから20MHzまでは±0.3dB程度の偏差にまとまっています。しかし、30,40MHzは感度低下が顕在化していることがはっきり判りますね。また、(-5dBmから)-60dBmのぐらいまで測定電力では、各周波数における偏差がかなりリニアです。そこで、-10dBmから-60dBmまでの値を使って各周波数で平均を取り、この値で近似式を導いてみました。この辺りはExcel の十八番


比較的綺麗な近似曲線が描けています。プログラムの修正は、この多項式をグラフ表示のデータ生成部分に埋め込めばいいんですが、後々さらに微調整する場合を考慮して、この式から導き出される「MHz単位の値」で配列データを作っておき、これを参照して補正する形としました。また、10MHzを正規化基準とするため、10MHzでの偏差が「0」になるように全体の値を少し小さくしました。
本日午後からチマチマと作業し、夕方にはプログラム改修は終わりました。ソースプログラムの改修の様子は面倒なんでアップしません


各周波数の偏差が-60dBmまででは±0.1dBチョイ程度まで補正することができました。これで、発振器の高調波測定などのポピュラーな測定には十分でしょう。また、-60dBm以下の電力測定においても、±0.3dBm程度には納めることができました。もう少し追い込むこともできますが、ひとまずはこの辺りで留めたいと思います。
直前記事で打ち止めの予定だったAPB-3の改修・・・本当にお開きにしたいんだけどなぁ

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APB-3マスターですね!
おはようございます!
自分はAPB-3をただ使っているだけですが、ここまで較正するとは・・・恐れ入りました。
新スプリアス基準によって自作領域がまた難しくなりそうですが(1年以内に較正した測定機器で実測?)、もしABP-3が測定装置として認められるならば良いのになぁと思う今日この頃です。
自分はAPB-3をただ使っているだけですが、ここまで較正するとは・・・恐れ入りました。
新スプリアス基準によって自作領域がまた難しくなりそうですが(1年以内に較正した測定機器で実測?)、もしABP-3が測定装置として認められるならば良いのになぁと思う今日この頃です。
下手の横好きで・・・
ぶんきゅうさん、こんにちは。
いえいえ、暇にまかせて重箱の隅を・・・といった塩梅です(^^; まぁ、ここまで来れば、今の自分のヘッポコ工作活動には十分な確度かと思っています。
新スプリアス基準に係る「今後の無線機自作」については、電力による差別化(例えば5W以下)のアプローチが必要じゃないかと思っています。そして、例の「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的に無線技術に興味を持ち、正当に許可された者が行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務(第1条第78項)」の末尾に記されている『技術的研究』の根絶やしにつながらぬことを切に願っています。
逆にこの機会に「小電力装置の検査の簡略化」となれば(少なくとも自分は)良いのですがね・・・。
いえいえ、暇にまかせて重箱の隅を・・・といった塩梅です(^^; まぁ、ここまで来れば、今の自分のヘッポコ工作活動には十分な確度かと思っています。
新スプリアス基準に係る「今後の無線機自作」については、電力による差別化(例えば5W以下)のアプローチが必要じゃないかと思っています。そして、例の「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的に無線技術に興味を持ち、正当に許可された者が行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務(第1条第78項)」の末尾に記されている『技術的研究』の根絶やしにつながらぬことを切に願っています。
逆にこの機会に「小電力装置の検査の簡略化」となれば(少なくとも自分は)良いのですがね・・・。
いい話がいっぱい
嬉しい話がテンコ盛りで一気に読みました。
勉強になりました。
でも1つだけ気になってカキコします
デシベル表示はdBが正しいと思うのですが
よろしくお願いします
勉強になりました。
でも1つだけ気になってカキコします
デシベル表示はdBが正しいと思うのですが
よろしくお願いします
恥ずかしや・・・
コリンズさん、こんにちは。
いやぁ、本当にご指摘ありがとうございます。いつの間にか小文字書きに慣れてしまったのか、このブログの最初から間違っていました(^^; 早速、文章部分は直しましたが、図表は簡単には直りません・・・記念に放っておきましょうかね(爆
また是非寄って下さい。そして、間違いがまたあったら、ズバズバ指摘して下さいね!
いやぁ、本当にご指摘ありがとうございます。いつの間にか小文字書きに慣れてしまったのか、このブログの最初から間違っていました(^^; 早速、文章部分は直しましたが、図表は簡単には直りません・・・記念に放っておきましょうかね(爆
また是非寄って下さい。そして、間違いがまたあったら、ズバズバ指摘して下さいね!