実験用電源ケーブルの要件(序)
2016-07-11
「暑い、暑い・・・」とボヤいても涼しくはなりません。今日も本社に戻ってきた部下がボヤいているのを聞いてちょっとからかってしまいましたが、7月前半に似つかわない気温、日照、照り返しは、若い衆にも堪えるようですね
昨日はFET1石の発振回路における最適負荷抵抗値を求めようとヘッポコ実験をしていました。前提としたQ(=5)が低過ぎたためか、350Ωから500Ωまでのなだらかなピークを認めただけで、結局あまりよく判りませんでした。
夕飯を終え、「この実験はリベンジしよう」と棚上げし、最後にこの発振実験で使った発振回路のピュアリティ・・・発振周波数近辺の様子をAPB-3で見てみようと思い立って観測してみると、何やら100Hzのピークを伴う汚いスペクトルが現れました。そして、あれこれ試行錯誤をした末、原因が判明しました。直ぐさま記事にしよう・・・と思ったんですが、「日曜の夜更かしは翌日、いや翌週一杯響く」とまともな社会人の如くの考えに至り、今日の宿題としました。
今日は帰宅後に早速、昨晩の再現試験とデータ採りに手を染めました。まずは昨日の再現をすべく、「100Hzの角」が一杯のデータを採取。

何じゃこれ
って感じですね。よくお供になる50Hzを差し置いて、100Hzの高調波が乱立しています。これって、わざわざこうしないとこんなに無残なスペクトルにはならないでしょう。それも、測定しているのは何の変哲もないFET発振器・・・実際、ちょっと呆気に取られました。
最初に疑ったのは、測定器側の不具合・・・しかし、電源は自作シリーズ電源、最短距離&シールド線で接続するというぽぼ「鉄壁」のノイズ対策を施していますから、流石に測定器側でないことは直ぐに切り分けられました。すると被測定側が・・・
発振回路はコンパクトに作った上、不安要素は殆どあり得ない・・・とすると、商用電源からのハムのリークが有力。電源からは並行フィーダで発振回路に電源を供給していますが、たかだか1m弱の配線ですから「ここに電源誘導しているとは考え難いなぁ」と思いました。しかし、未だ完成していない周波数カウンタの実験途上で垣間見た50Hzの威力を思い出し、手近に転がっていたパッチンコアでこの並行フィーダをパッチンコ。

まぁ、こんな無造作な感じで秋月に売っているLF-102Bに5回程巻いてみました。すると・・・

え~
って感じですよね。ちょっと驚くべき劇的な改善・・・というか、これが正しい姿でしょう。つまり、電源ケーブルを無造作に接続すると、電源ハムの影響受けまくりということですね。さらにちょっとおふざけで・・・。

これは、コアをパッチンした上で発振回路の電源部へパラに470μFのケミコンを接続したものです。800Hz付近にあるビートが明らかに減っています。また、ノイズフロアに当たる部分も細かく上下しており、様子が変わったことが判りますね。
こんな風に、DC電源からのケーブルが商用電源のハムを拾って悪さをすることは明白になりました。今回のパッチンコアによる対策より、並行フィーダをシールド線に交換する方が効果がありそうです。今週末には、この辺りを明らかにして纏めてみたいと思います。
修正 2016.07.13>
最後のイメージがシングルスイープになっていませんでした。データ取り直し、差し替えました。

昨日はFET1石の発振回路における最適負荷抵抗値を求めようとヘッポコ実験をしていました。前提としたQ(=5)が低過ぎたためか、350Ωから500Ωまでのなだらかなピークを認めただけで、結局あまりよく判りませんでした。
夕飯を終え、「この実験はリベンジしよう」と棚上げし、最後にこの発振実験で使った発振回路のピュアリティ・・・発振周波数近辺の様子をAPB-3で見てみようと思い立って観測してみると、何やら100Hzのピークを伴う汚いスペクトルが現れました。そして、あれこれ試行錯誤をした末、原因が判明しました。直ぐさま記事にしよう・・・と思ったんですが、「日曜の夜更かしは翌日、いや翌週一杯響く」とまともな社会人の如くの考えに至り、今日の宿題としました。
今日は帰宅後に早速、昨晩の再現試験とデータ採りに手を染めました。まずは昨日の再現をすべく、「100Hzの角」が一杯のデータを採取。

何じゃこれ

最初に疑ったのは、測定器側の不具合・・・しかし、電源は自作シリーズ電源、最短距離&シールド線で接続するというぽぼ「鉄壁」のノイズ対策を施していますから、流石に測定器側でないことは直ぐに切り分けられました。すると被測定側が・・・

発振回路はコンパクトに作った上、不安要素は殆どあり得ない・・・とすると、商用電源からのハムのリークが有力。電源からは並行フィーダで発振回路に電源を供給していますが、たかだか1m弱の配線ですから「ここに電源誘導しているとは考え難いなぁ」と思いました。しかし、未だ完成していない周波数カウンタの実験途上で垣間見た50Hzの威力を思い出し、手近に転がっていたパッチンコアでこの並行フィーダをパッチンコ。

まぁ、こんな無造作な感じで秋月に売っているLF-102Bに5回程巻いてみました。すると・・・

え~


これは、コアをパッチンした上で発振回路の電源部へパラに470μFのケミコンを接続したものです。800Hz付近にあるビートが明らかに減っています。また、ノイズフロアに当たる部分も細かく上下しており、様子が変わったことが判りますね。
こんな風に、DC電源からのケーブルが商用電源のハムを拾って悪さをすることは明白になりました。今回のパッチンコアによる対策より、並行フィーダをシールド線に交換する方が効果がありそうです。今週末には、この辺りを明らかにして纏めてみたいと思います。
修正 2016.07.13>
最後のイメージがシングルスイープになっていませんでした。データ取り直し、差し替えました。
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- 実験用電源ケーブルの要件(序)
- 高速カウンタ周りの実験完了
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コメントの投稿
(序)の次は(破)?(違
おはようございます!
100Hzの角の正体見たり!といった感じですね。
しかしなぜ50Hz毎じゃなくて100Hz毎なのでしょうか?
大変興味深いです。
次の記事に期待!
100Hzの角の正体見たり!といった感じですね。
しかしなぜ50Hz毎じゃなくて100Hz毎なのでしょうか?
大変興味深いです。
次の記事に期待!
PCの電源とループしてるからじゃないかい?
ノートPCを電池駆動にしたら良くなるかもね。
私はUSBアイソレータ入れてみたよ、全く試してないけどね
ノートPCを電池駆動にしたら良くなるかもね。
私はUSBアイソレータ入れてみたよ、全く試してないけどね
次回作はいつなんだ!?
ぶんきゅうさん、こんにちは。
そうなんですよ、どういう訳か50Hz毎にはなっていないんです。でもまぁ、悪さしてそうなことは事実ですから、電源ケーブルのシールド線化はやっておこうと思います。
因みにですが、我が家から一番近い高圧鉄塔までは50mもなく、一番近い高圧線は高さがあるんですが同程度。案外、この高圧線からの輻射が強く、派手に50Hz系のノイズを拾うんじゃないかと、オカルトっぽく考えてます(爆
そうなんですよ、どういう訳か50Hz毎にはなっていないんです。でもまぁ、悪さしてそうなことは事実ですから、電源ケーブルのシールド線化はやっておこうと思います。
因みにですが、我が家から一番近い高圧鉄塔までは50mもなく、一番近い高圧線は高さがあるんですが同程度。案外、この高圧線からの輻射が強く、派手に50Hz系のノイズを拾うんじゃないかと、オカルトっぽく考えてます(爆
PC側は・・・
とおちゃん、こんにちは。
多分、ループはないんじゃないかと。USBケーブルには秋月パッチンに5回巻きの二連、さらにFT50-43で作ったコモンモードフィルタを入れてあり、そこそこ意識したセットアップになっています。
ま、何れにせよ、もう少し対策は打ちますんで、次の記事にご期待下さい(え
多分、ループはないんじゃないかと。USBケーブルには秋月パッチンに5回巻きの二連、さらにFT50-43で作ったコモンモードフィルタを入れてあり、そこそこ意識したセットアップになっています。
ま、何れにせよ、もう少し対策は打ちますんで、次の記事にご期待下さい(え