夏休みの工作・・・ツートーンジェネレータ製作中
2016-08-07
昨日から夏期休暇に突入しました。関東地方の猛暑到来と共に休暇に入った感じで、11日に親戚一同での食事会を開く計画があるだけ・・・恒例の旅行は猛暑を嫌い、季節が良くなってからのお楽しみにしました。
夏休みを迎えて早速「小物」の製作に取り掛かりました。直前まで水晶発振に拘ってプチ実験を重ねてきて、実は未だもう少し追い込み実験をしたかったんですが、まぁ何となく傾向は解ったことにして棚上げ(えっ
)・・・以前から作りたかったツートーンジェネレータに着手
回路的には簡単なんで組み立ては順調。最終形までにはもう一捻りする予定ですが、ひとまず組み上げてバラック実験を開始。

スナップの左側が発振部です。7.010MHzと7.030MHzの水晶をJ310でそれぞれ発振させています。本当はそれぞれの周波数発振部として基板を独立させた方がリークが少なくていいんですが敢えて強行。すると、やはりかなりのリークがありちょっと焦りました。これはグランド面を広く取るべく回路全体をグランドで一周囲むようにしたためで、グランドの一端を切り取ってループを切ったらリークが激減しました。
右側は2段LPFと6dBコンバイナ。コンバイナはトロ活の受け売りですが、2信号を上手く混合してくれます。この基板もグランドをループにするとNG、やはり一端を切って漸くまともに動作しました。
仮調整を済ませたこのジェネレータの実力をまずはご披露しましょうかね。

9次IMDまで見える筈のスパンで観測しています。RBWが1KHzになっているためノイズフロアが-110dBmくらいですが、IMDらしきものは見当たらず、まずまずの感触を得ました
ちなみにツートーン発振部の個々の出力を最大に調整すると、このジェネレータ内で生じる3次IMDが観測できるようになります。

発振出力の最大ポイントは、発振方式と回路構成によりますが波形の綺麗さ・・・高調波の量が最小とは限らず、こうした作りものでは調整が重要になるという典型例と言えますね。まぁそれでも、基本発振と3次IMDの差は-75dB程度ありますから、そう目くじらを立てなくても良さそうなレベルではあります。
さて、ここで以前から確かめておきたかった実験をしました。それは「APB-3で生じる歪みが、本当に-15dBm以上の入力レベルで顕在化するか」というものです。
このジェネレータの出力は-3dBm程度(ミニ・パワーメータで確認)で、上記の測定は-10dBから-15dBのアッテネーションを咬まして、入力レベルが-15dBmを超えないようにしています。そこで、このアッテネータを外して(つまり、直接-3dBmを入力して)測定した結果が以下の画像です。

ご覧の通り大きく歪んでいるのが判ります。ここから-1dBずつ落としていくと、丁度-10dBになったところで歪みが見えなくなります。即ち、-13dBm以下になれば大丈夫・・・-15dBmの見立てはほぼ正解といっていいでしょう。今後もこのレベルを超えないような測定を心がけようと思います。
このツートーンジェネレータは、発振部とLPFの間にバッファを入れてもう少し高出力(+10dBmくらい)を狙いたいと思っていますが、どんなバッファで受けるか・・・トロ活にはベース接地の例が記述されていますが、そこまでゴージャスな(複雑な)回路が必要なのか検討中です。始まったばかりの夏休み、ヘッポコ製作の滑り出しは順調なようです
夏休みを迎えて早速「小物」の製作に取り掛かりました。直前まで水晶発振に拘ってプチ実験を重ねてきて、実は未だもう少し追い込み実験をしたかったんですが、まぁ何となく傾向は解ったことにして棚上げ(えっ



スナップの左側が発振部です。7.010MHzと7.030MHzの水晶をJ310でそれぞれ発振させています。本当はそれぞれの周波数発振部として基板を独立させた方がリークが少なくていいんですが敢えて強行。すると、やはりかなりのリークがありちょっと焦りました。これはグランド面を広く取るべく回路全体をグランドで一周囲むようにしたためで、グランドの一端を切り取ってループを切ったらリークが激減しました。
右側は2段LPFと6dBコンバイナ。コンバイナはトロ活の受け売りですが、2信号を上手く混合してくれます。この基板もグランドをループにするとNG、やはり一端を切って漸くまともに動作しました。
仮調整を済ませたこのジェネレータの実力をまずはご披露しましょうかね。

9次IMDまで見える筈のスパンで観測しています。RBWが1KHzになっているためノイズフロアが-110dBmくらいですが、IMDらしきものは見当たらず、まずまずの感触を得ました


発振出力の最大ポイントは、発振方式と回路構成によりますが波形の綺麗さ・・・高調波の量が最小とは限らず、こうした作りものでは調整が重要になるという典型例と言えますね。まぁそれでも、基本発振と3次IMDの差は-75dB程度ありますから、そう目くじらを立てなくても良さそうなレベルではあります。
さて、ここで以前から確かめておきたかった実験をしました。それは「APB-3で生じる歪みが、本当に-15dBm以上の入力レベルで顕在化するか」というものです。
このジェネレータの出力は-3dBm程度(ミニ・パワーメータで確認)で、上記の測定は-10dBから-15dBのアッテネーションを咬まして、入力レベルが-15dBmを超えないようにしています。そこで、このアッテネータを外して(つまり、直接-3dBmを入力して)測定した結果が以下の画像です。

ご覧の通り大きく歪んでいるのが判ります。ここから-1dBずつ落としていくと、丁度-10dBになったところで歪みが見えなくなります。即ち、-13dBm以下になれば大丈夫・・・-15dBmの見立てはほぼ正解といっていいでしょう。今後もこのレベルを超えないような測定を心がけようと思います。
このツートーンジェネレータは、発振部とLPFの間にバッファを入れてもう少し高出力(+10dBmくらい)を狙いたいと思っていますが、どんなバッファで受けるか・・・トロ活にはベース接地の例が記述されていますが、そこまでゴージャスな(複雑な)回路が必要なのか検討中です。始まったばかりの夏休み、ヘッポコ製作の滑り出しは順調なようです

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コメントの投稿
今年のハムフェアは行かれるのですか?
こんにちは。
暑い日が続いていますが、工作熱のほうが上回っているようですね。
もともとAPB-3を使う上で入力保護のため20dBのアッテネータを挿入するようにしているのですが、-10dBm以上になると波形がなんとなくおかしい(結局歪みですよね)ことは分かっていました。しかし-15dBmという数字は初めて知りました。そうなるとAPB-3のダイナミックレンジは思ったより広くないということになるんでしょうかね。
暑い日が続いていますが、工作熱のほうが上回っているようですね。
もともとAPB-3を使う上で入力保護のため20dBのアッテネータを挿入するようにしているのですが、-10dBm以上になると波形がなんとなくおかしい(結局歪みですよね)ことは分かっていました。しかし-15dBmという数字は初めて知りました。そうなるとAPB-3のダイナミックレンジは思ったより広くないということになるんでしょうかね。
ハムフェアは参加予定・・・
ぶんきゅうさん、お暑うございます。
そうですね・・・どうも、-10dBmよりもう少し低いところに臨界点があるようです。この記事の実験では大凡-13dBm程度と見ましたが、まぁ余裕をみて・・・と考えています。
2014/11/22の拙記事に、APB-3の回路図の一部をクローズアップして上げてありますが、そもそもAPB-3の信号出力が-14.6dBmらしい(これは、パワー計実測でも凡そこのくらいであることも確認しています)ので、設計スペックとしてこの辺りを「二信号特性の臨界」としたんじゃないか・・・と邪推しています。「一信号」なら、これより10dBm程度上、-5dBm程度までは問題なく動きそうですからね(^^;
確信はありませんが、自分としてはこの閾値をひとまずの「指標値」にしようと思います。
そうですね・・・どうも、-10dBmよりもう少し低いところに臨界点があるようです。この記事の実験では大凡-13dBm程度と見ましたが、まぁ余裕をみて・・・と考えています。
2014/11/22の拙記事に、APB-3の回路図の一部をクローズアップして上げてありますが、そもそもAPB-3の信号出力が-14.6dBmらしい(これは、パワー計実測でも凡そこのくらいであることも確認しています)ので、設計スペックとしてこの辺りを「二信号特性の臨界」としたんじゃないか・・・と邪推しています。「一信号」なら、これより10dBm程度上、-5dBm程度までは問題なく動きそうですからね(^^;
確信はありませんが、自分としてはこの閾値をひとまずの「指標値」にしようと思います。