初めてのIMD測定
2016-08-08
今日はサッカー日本代表試合---オリンピック1次リーグを午前中はTV観戦していました。結局、HK(Colombia)とはドロー。良い試合をしていたように思いますが、一瞬の気の緩みや迷いを強豪国は許してくれません。それでも首の皮一枚で決勝トーナメント進出の可能性はありますから、何としても次のSM(スウェーデン)戦では勝利を掴んで欲しいと思います。
午後からは、作り始めた2トーンジェネレータのバッファアンプの試行錯誤実験敢行・・・と、小さなブレッドボードを取り出して準備を始めたところで、「そう言えば参考になりそうなアンプ、持っとるやん
」と思い出し、「クラニシ君@SG」・・・クラニシのアンアナに接続して簡易なSGに仕立てるためにこしらえたバッファアンプを測定対象として、こいつのIMDを測ってみることにしました。

クラニシ君@SGは、かなり長い間我がヘッポコ研究室の「重要な高周波信号源」として君臨してきたわけですが、中華SGにその座を脅かされ、ついには今年の梅雨入り前に弟子入りした「本物のSG」(HP-8648B)にその座を奪われた感が否めません。それでも、HFから60MHzくらいまでの「広帯域13dBアンプ」としては素性の知れた可愛い奴
今後も出番はありそうですが、今日は「被験者」として頑張って貰うことになりました。
このアンプの詳細はデビュー時の記事に譲りますが、2SC3776×1石のシンプルな広帯域NFBアンプです。12Vで14mAくらいの消費電流、負荷インピーダンスはFB801-43にトリファイラ巻きですから450Ω相当・・・となると、クリッピングが生じない出力は+14~15dBm程度、IP3(3次IMD)は+24~30dBm程度に収まるはずです。 逆に入力は、このアンプのゲインである13dB分マイナスになりますから、+1~2dBm程度が限界で、それ以上は多分「歪み増量」ということになるでしょう。
こんな風に予測を立て、いざ測定に突入
さぁ、初めてのIMD測定は如何に

それらしいスペクトルは取れました。例によってAPB-3の入力歪みが生じないよう、基本波(7.010MHzと7.030MHz)が-15dBm以下になるようアンプの出力とAPB-3の入力の間にはアッテネータを入れていますから、この分は考慮しなければなりません。
IMDの計算方法については先人のサイトを参考にして頂くとして、基本波の電力をP0、3次高調波の電力をP3とすると(共にdBmでよい)、IP3に特化した公式は・・・
式1 IP3(dBm) = P0 + ((P0-P3) / 2)
となります。これに上記のアッテネーション値を勘案しながら計算します。アッテネーション値をATとすると・・・
式2 IP3 = (P0 - AT) + (((P0 - AT)-(P3 - AT)) / 2)
※ATはマイナス・・・例えば、アッテネーション値が3dBの場合は「-3」
それでも簡単な公式ですね・・・助かりました
式2に実測値、測定時のアッテネーション値「23dB」を代入して式2を解くと・・・
IP3 = (-16.49 - (-23)) + (((-16.49 - (-23))-(-49.29 - (-23))) / 2) = +22.91(dBm)
実は、このアンプに対する入力として、バラック状態のジェネレータ出力は少々大き過ぎ(+3dBmくらい)であり、発振部の結合(出力コンデンサのトリマ)を調整して何とか-1dBmくらいまで押さえ込んでいますから測定誤差は必至の状況。上記計算結果は予測下限の+24dBmを下回っていますが、バラック&個々の測定精度の「誤差」として考え得る値でしょう。
事程左様に、IMD(IP3)の測定は上手くいきそうな予感・・・夏休み3日目もどうやら順調なようですね
午後からは、作り始めた2トーンジェネレータのバッファアンプの試行錯誤実験敢行・・・と、小さなブレッドボードを取り出して準備を始めたところで、「そう言えば参考になりそうなアンプ、持っとるやん


クラニシ君@SGは、かなり長い間我がヘッポコ研究室の「重要な高周波信号源」として君臨してきたわけですが、中華SGにその座を脅かされ、ついには今年の梅雨入り前に弟子入りした「本物のSG」(HP-8648B)にその座を奪われた感が否めません。それでも、HFから60MHzくらいまでの「広帯域13dBアンプ」としては素性の知れた可愛い奴

このアンプの詳細はデビュー時の記事に譲りますが、2SC3776×1石のシンプルな広帯域NFBアンプです。12Vで14mAくらいの消費電流、負荷インピーダンスはFB801-43にトリファイラ巻きですから450Ω相当・・・となると、クリッピングが生じない出力は+14~15dBm程度、IP3(3次IMD)は+24~30dBm程度に収まるはずです。 逆に入力は、このアンプのゲインである13dB分マイナスになりますから、+1~2dBm程度が限界で、それ以上は多分「歪み増量」ということになるでしょう。
こんな風に予測を立て、いざ測定に突入



それらしいスペクトルは取れました。例によってAPB-3の入力歪みが生じないよう、基本波(7.010MHzと7.030MHz)が-15dBm以下になるようアンプの出力とAPB-3の入力の間にはアッテネータを入れていますから、この分は考慮しなければなりません。
IMDの計算方法については先人のサイトを参考にして頂くとして、基本波の電力をP0、3次高調波の電力をP3とすると(共にdBmでよい)、IP3に特化した公式は・・・
式1 IP3(dBm) = P0 + ((P0-P3) / 2)
となります。これに上記のアッテネーション値を勘案しながら計算します。アッテネーション値をATとすると・・・
式2 IP3 = (P0 - AT) + (((P0 - AT)-(P3 - AT)) / 2)
※ATはマイナス・・・例えば、アッテネーション値が3dBの場合は「-3」
それでも簡単な公式ですね・・・助かりました

IP3 = (-16.49 - (-23)) + (((-16.49 - (-23))-(-49.29 - (-23))) / 2) = +22.91(dBm)
実は、このアンプに対する入力として、バラック状態のジェネレータ出力は少々大き過ぎ(+3dBmくらい)であり、発振部の結合(出力コンデンサのトリマ)を調整して何とか-1dBmくらいまで押さえ込んでいますから測定誤差は必至の状況。上記計算結果は予測下限の+24dBmを下回っていますが、バラック&個々の測定精度の「誤差」として考え得る値でしょう。
事程左様に、IMD(IP3)の測定は上手くいきそうな予感・・・夏休み3日目もどうやら順調なようですね

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