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ゲート接地アンプの特性(パラレル編)

2016-12-31      
 直前記事に引き続いては、ゲート接地アンプの「パラ接続」についてのまとめです。多分、自作するための要素としては、「シングル」に比べてこちらの方が有益になると思いますよ

 まずは回路図です。



 シングルと大差はありません。出力トランスはトリファイラ巻きで、出力インピーダンスを450Ωと想定したものとなっています。さぁ、どんなデータが採れるかな

 ◆ 周波数特性

 ドレイン電流を40mAとして周波数特性を採ってみました。



 HF帯でみると、利得は9,10dB程度取れているのが判ります。シングルの時と同様にRFCの換装、出力トランスの巻数も4回巻きと5回巻きで試してみましたが、これも大差なし・・・もう少し広帯域になるんじゃないかと期待していましたが、ひとまずはこのデータで納得。

 ◆ 入出力インピーダンス

 入力インピーダンスは以下のような感じ。



 HF帯の下から上に向かって、40Ωから60Ω程度まで上昇しています。シングルの半分ぐらいのインピーダンスになるのかと思いましたが、ちょっと予想外れ。

 一方の出力インピーダンスはというと・・・。



 これは、シングルの半分くらいのインピーダンスになっているようで、当たり前なんですが「なるほど~」と感心してしまいました

 ◆ IMD特性

 これもシングルの時と同様、ドレイン電流との関係でまとめました。



 GainとIIPのピークは一致していませんが、まぁ45mAくらいのところがベストポイントでしょうか。IIPはAPB-3で例の「角」を観測して計算で求めています。

 IIPの値は「OIPからGainを引いた値」として計算しましたが、何となく過去に聞いた値より高い気がしたため「1dBコンプレッションポイントから凡そ10dB上にOIPがある」というアプローチで考えてみようと思い立ち、1dBコンプレッションポイントを実測してみました。



 これは、SGからの信号出力値を頼りに、入出力の電力差(Gain)がリニアの関係にある部分の「10.2dB」から外れて、1dB少なくなった「9.2dB」のところを見つけたものです。この10dB上にOIPがあると仮定すると「+34dBm辺り」がOIP、そこからGain(10.2dB)を引いたところがIIP・・・「+24dBmにIIPがありそう」という風に考えられ、上記の計算で求めた27dBmとかけ離れてはいませんので、「どよよん無線技術研究所」としては(はぁ)これで納得することにします

 ただ問題も・・・。直前記事に記したIIPは実はどうやら間違っていそうです。この点については何れ確認したいとは思うものの、あの回路はあまりに利得不足で使わないと思われるんで「今更感」もあったりして

 ◆ まとめ

 受信のトップやミキサーの受け、その他「ちょいとバッファ」に多用されるこのパラレルタイプのゲート接地アンプは、確かに高IPのアンプであることが解りました。入力インピーダンスについては、ある意味「整合回路不要」と言えるほど50Ωとの親和性が高いことが確認できましたが、出力側は少し工夫が要りそうですね。

 さぁ、冬休みの宿題は未だ続くんですが、既に0時を回って大晦日に突入。今回のお休みは短いためどこまで進められるのか・・・乞う、ご期待(って、誰が期待するんぢゃ
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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