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ゲート接地アンプの特性(2SK125編)

2016-12-31      
 往年の大ヒットデバイス「2SK125」は、自分も多用したデバイスの1つ。パラ接続のGGアンプが定番であり、ゲインも10dBそこそこで扱い易く、広帯域のバッファから単一バンドのプリアンプまで活躍して貰いました。初めて製作した15mのモノバンドSSBトランシーバでも、受信トップとDBMのバッファとして使いました。此度の「冬休みの宿題」では、このデバイスのコピー元となったJ310を使ってGGアンプの性能を纏めましたが、使っていた実験基板に単に載せ替えればそのままデータ採りができるため、今朝からヘッポコ実験に取り掛かりました。

 例によって回路図から。



 J310の実験基板への換装のみのつもりが、実験手順の都合でソースに接続されているRFCはマイクロインダクタにしています。RFCの差異については、既にその「挙動」が判っていますからこのまま実験へ。

 ◆ 周波数特性

 まぁ、そんなに驚くべき結果ではありません。



 J310の結果とほぼ同様ですね。10MHz辺りに少し利得が高い帯域がありますが、まぁ「どんぐりの背比べ」ってな感じ。ただ、この辺りが「J310との親和性」と語られてきた1つの要因でしょう。

 ◆ 入出力インピーダンス

 入出力インピーダンスはどんな塩梅か・・・まずは入力から。



 HF帯としては、35Ωから50Ω弱の値に収まっています。SWR換算で1.5以下になりますから、J310と同様に50Ωに対する整合性は申し分ありませんね。一方の出力インピーダンスは・・・



 トロ活にある通り、シングルの場合の700Ωの丁度半分がピーク値になっています。なるほど、入出力何れも想定通りというか、面白くないというか・・・

 ◆ IMD特性

 これもJ310の実験同様のまとめになります。



 J310の様子とはかなり違います。Gainのピークは50mAから上にありそうですが、IIPの良さげなドレイン電流は30mA付近の模様。まぁ、Gainとの折衷ポイントとして40,45mAに設定するのは「有り」でしょう。

 この結果をJ310のものと比較すると、IIPが概ね2.5dBほど低くなっています。そこで、1dBコンプレッションについても測定することにしました。



 J310のものと比較すると0.5dBほど低いようです。OIPがこの1dBコンプレッションポイントの10dB上としGainを10.6dBとすると、22dBm台がIIP値と計算されますから、一つ上のグラフの「24.5dBm」も納得できる値かと思われます。そして、J310の実測値の方が若干ではありますが優位と言えそうですがほんの数dBの差ですから、これも「どんぐりの背比べ」でしょう。

 ◆ まとめ

 「何となく高IP」という過去の記憶や諸OMのデータや発言はこれで十分理解できましたし、今後も使っていきたい回路ではありますが、ディスコンになって久しいが故にかなり高値で取引されている2SK125に拘る必要はなさそうで、今後はJ310 or E310(チップタイプ)で十分だということが判りました。ただ、自分の部品箱にはまだ20本程の2SK125が眠っていますから、死蔵せぬよう使っていきたいと思っています。

 おぉ、2016年もあと3時間弱・・・今年のヘッポコ実験はこれにて終了ですね
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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