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変動するダイオードDBMのIMD特性

2017-01-08      
 昨晩まとめたSBL-1のIIPは、LOレベル+10dBm時に+24.5dBmという測定結果・・・無論、測定誤差は含むわけですが、Typicalで+18dBmというカタログ値とはかなり大きく食い違っていますね。こうなると、測定する環境を含めて「何か勘違いをしているんじゃないか」という不安が頭をもたげてきます。もし本当に勘違いがあると、ここ何ヶ月かのIMD測定に絡むヘッポコ実験が、本当にヘッポコ実験になってしまいます

 そんな中、この手持ちでちょいと古いSBL-1のIIPのもう少し詳細な情報がどこかに落ちていないかとweb検索をぶん回していたら、「SBL-1-1LH」という"亜種"を発見しました。



 このDBMは、注意書きにある通り「非カタログ品」ということのようですが、LOレベルとして+10dBmを謳っており、手持ちのSBL-1に近いのではないか・・・と考えたわけです。そして、このデータシートにはIIPがきちんと纏めてありました。



 SBL-1のIMD測定は「RF:7MHz、LO:11MHz」というHFの下の方で実施、これに最も近いものを「RF:10.1MHz、LO:40.1MHz」と見立てると、LOレベル+10dBmの時のIIPは24.69dBm・・・測定結果とかなり近い値 測定結果の裏が取れたと考えていいでしょう さらにこのリストの下の方に目線を移していくと、周波数によってかなりバラツキがあることが判りました。300MHz辺りは、かなり低くなっていますね。

 データシートのページを繰ると、この周波数によるIIPの様子がグラフに纏められていました。



 規則性は全く感じられませんね さらに、LOレベルが高ければIIP的に有利ということも一概には言えません。例えば100MHz辺りの様子を見ると、このグラフのサンプルとしては最低レベルの+7dBmが良好なようですし、逆に最高レベルの+13dBmでは、450MHz辺りが突出しているものの高い周波数帯で「若干優位」といった程度。

 ここで気付いたのが、昨日纏めたSBL-1のLOレベルに追随しなかったIIPの様子。



 このデータを纏めたときはかなり奇異に感じました(緑色で囲んだ辺り)が、この点にも十分納得できますね。

 ダイオードDBMは、各ポートのアイソレーションや変換ロスが広帯域に渡って比較的フラットな特性であるという部分を拡大解釈し、IMD特性もきっとそうに違いない・・・という思い込みから、特にカタログスペックとしてIPを明示されているとそれがどの周波数でも概ね成り立つものと思っていましたが、これは素人の浅はかさだったようです

 これで、ダイオードDBMの特性まとめはお終いにしたいと思います。さぁ、次だ、次
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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