IFアンプを手掛ける前に
2017-03-12
実験済みのSL6440Cミキサーを置くような受信系の設計で、次にぶち当たるのが「IF回路の悩み」です。RF初段やミキサー部のゲインが低い(SL6440Cで高IMDを期待する場合は、変換利得を0dB~-1dB程度に抑える必要がある)と、そのしわ寄せはIF/AF部に来ますが、そこそこの感度を実現するためには、IF部で稼ぎ出す利得が100dB超ということにもなります。勿論、QRP送信との組み合わせでは、市販HF機の0.1 ~ 0.2μV (@S/N 10dB)ほどの高感度が必要かどうかは怪しいところですが、仮にこの辺りの微小な電波をオーディオ出力(数100mW)まで持ち上げるためには、そこそこのIFゲインが必要なことは間違いありません。
これまでのIFアンプ成功例は、たった2つしかありません。
① 2SC1855×3段アンプ
② 3SK74×3段アンプ
前者はログリニアなIF特性を得るための「30年前の定番」であり、キャビティ紛いの成形と「超デカップリング」に気をつければ、案外再現性の良い回路だったと記憶しています。そして、自作機として初めて「免許条件」に加えた15mのSSBシングルバンドトランシーバに採用したのが、このIFアンプです。
実は、このアンプはぶっ壊されることなく残っています。稚拙な作りで恥ずかしいんですが、ちょっと晒してみましょうかね。

この男梅サワー、結構美味いですよ・・・じゃなく、その下のオンボロ基板がIFアンプです。回路部分は片面基板にランドを貼り付けて組み、電源とAGCラインは貫通コンで基板の裏側に取り出しています。また、裏側にはデカップリング用にFB801-43を6つほど・・・トロ活回路の受け売りです。また、この時のAGCアンプは、2SK19で受けたIF信号をオペアンプで下駄を履かせて戻すような形で組んでいます。聞き味は当時の記憶・・・30年くらい前のこと故、具には覚えていませんが、強力な信号でも耳に来ない聞き味だった記憶があります。
後者は、6mのSSBトランシーバ「クリームちゃん」(このネーミング、再三止めようと思っているんですが、どうやらブログ主が密かに気に入ってしまっている模様・・・)で使っています。デュアルゲートFETは、ソース抵抗を上手く置いてやることで、そこそこ素直な特性のAGCができます。自作機としては十分と言えますが、如何せん1石の利得が20dB程度となるためAGC云々より「ゲイン不足」になり易く、このクリームちゃんもAF段にプリアンプを置いて凌いでいます。
今回は、これらIFアンプ部の見直しとして比較的ポピュラーな「MC1350P」を使い、かつちょっと曲がったAGC特性を上手いことコントロールしてみようと思い立ったんですが、これが結構手間が掛かる目算になってしまい、この辺りで悩んでいます。基本性能を手中で何とか・・・と考えると、前出の2つの方法も実は捨て難いと思う部分があるものの、流石に少々古い技術領域でもあります。
また、ノイズの抑え込み・・・高いゲインでノイズ成分の出力が結構大電力になりノイジーな聞き味になってしまう部分については、途中に噛ますフィルタ(Qの高いタンク回路)を工夫する必要があり、この辺りはアナログバリバリの実験題材になりそうです。
ただ、AGC制御については、実はソフト制御を取り入れてどんなにひん曲がった特性でもリニアに押さえ込んでやる
と、どよよん無線技士さんは意気込んでいるようですので、個々の雑多な検討と実験を重ねていくという地味な作業が続きますから、モチベーションの維持が課題。はてさて、どうなることやら・・・
これまでのIFアンプ成功例は、たった2つしかありません。
① 2SC1855×3段アンプ
② 3SK74×3段アンプ
前者はログリニアなIF特性を得るための「30年前の定番」であり、キャビティ紛いの成形と「超デカップリング」に気をつければ、案外再現性の良い回路だったと記憶しています。そして、自作機として初めて「免許条件」に加えた15mのSSBシングルバンドトランシーバに採用したのが、このIFアンプです。
実は、このアンプはぶっ壊されることなく残っています。稚拙な作りで恥ずかしいんですが、ちょっと晒してみましょうかね。

この男梅サワー、結構美味いですよ・・・じゃなく、その下のオンボロ基板がIFアンプです。回路部分は片面基板にランドを貼り付けて組み、電源とAGCラインは貫通コンで基板の裏側に取り出しています。また、裏側にはデカップリング用にFB801-43を6つほど・・・トロ活回路の受け売りです。また、この時のAGCアンプは、2SK19で受けたIF信号をオペアンプで下駄を履かせて戻すような形で組んでいます。聞き味は当時の記憶・・・30年くらい前のこと故、具には覚えていませんが、強力な信号でも耳に来ない聞き味だった記憶があります。
後者は、6mのSSBトランシーバ「クリームちゃん」(このネーミング、再三止めようと思っているんですが、どうやらブログ主が密かに気に入ってしまっている模様・・・)で使っています。デュアルゲートFETは、ソース抵抗を上手く置いてやることで、そこそこ素直な特性のAGCができます。自作機としては十分と言えますが、如何せん1石の利得が20dB程度となるためAGC云々より「ゲイン不足」になり易く、このクリームちゃんもAF段にプリアンプを置いて凌いでいます。
今回は、これらIFアンプ部の見直しとして比較的ポピュラーな「MC1350P」を使い、かつちょっと曲がったAGC特性を上手いことコントロールしてみようと思い立ったんですが、これが結構手間が掛かる目算になってしまい、この辺りで悩んでいます。基本性能を手中で何とか・・・と考えると、前出の2つの方法も実は捨て難いと思う部分があるものの、流石に少々古い技術領域でもあります。
また、ノイズの抑え込み・・・高いゲインでノイズ成分の出力が結構大電力になりノイジーな聞き味になってしまう部分については、途中に噛ますフィルタ(Qの高いタンク回路)を工夫する必要があり、この辺りはアナログバリバリの実験題材になりそうです。
ただ、AGC制御については、実はソフト制御を取り入れてどんなにひん曲がった特性でもリニアに押さえ込んでやる


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懐かしのフィリップストリマー
おはようございます!
着々と進んでますね。完成が楽しみです^^
1855の3段アンプ懐かしいです。自分も過去挑戦しようとしましたが、パーツを揃えた時点で腐海に沈んでしまいました(苦笑)
デュアルゲートMOSFETのいずれかのゲート電圧調整でAGCが比較的リニアになるという記事をどこかで見た気がしました。ソフトウエア制御はまだ自分も実現していませんが、JQ1SRN局がArduinoとDAコンバータで実現されていました。
着々と進んでますね。完成が楽しみです^^
1855の3段アンプ懐かしいです。自分も過去挑戦しようとしましたが、パーツを揃えた時点で腐海に沈んでしまいました(苦笑)
デュアルゲートMOSFETのいずれかのゲート電圧調整でAGCが比較的リニアになるという記事をどこかで見た気がしました。ソフトウエア制御はまだ自分も実現していませんが、JQ1SRN局がArduinoとDAコンバータで実現されていました。
フィリップストリマはまだまだ現用・・・
ぶんきゅうさん、こんにちは。
AGCのソフト制御は、PICを触り始めた頃に思いついたものの、なかなか実現には漕ぎ着けられずにいましたが、漸く着手に向けて準備を始めました。PIC内蔵のAD/DA変換、オペアンプなどを駆使すると、少量の部品ででっち上げられると思っていますが、実際にはピン数の制約(特にADCとDACのVREFが同一だったり・・・)などがあって、今いまこの辺りを検討しています。
この件に踏み切ったのには、実は昨年5月に入手したジャン測のSGがほぼまともに動きそうであることも一因になっています。
JQ1SRN局の製作blogは大変興味深く読ませて頂いています。PINダイオードのATTをコントロールするなど、工夫されていますね。
ぶんきゅうさんも、小型TRXが「製品化」に向け進んでいるようで、こちらも更新が無いか、日々チェックさせて頂いてますよ(^^;
AGCのソフト制御は、PICを触り始めた頃に思いついたものの、なかなか実現には漕ぎ着けられずにいましたが、漸く着手に向けて準備を始めました。PIC内蔵のAD/DA変換、オペアンプなどを駆使すると、少量の部品ででっち上げられると思っていますが、実際にはピン数の制約(特にADCとDACのVREFが同一だったり・・・)などがあって、今いまこの辺りを検討しています。
この件に踏み切ったのには、実は昨年5月に入手したジャン測のSGがほぼまともに動きそうであることも一因になっています。
JQ1SRN局の製作blogは大変興味深く読ませて頂いています。PINダイオードのATTをコントロールするなど、工夫されていますね。
ぶんきゅうさんも、小型TRXが「製品化」に向け進んでいるようで、こちらも更新が無いか、日々チェックさせて頂いてますよ(^^;