ちょいと古い広帯域アンプの低域拡大
2017-03-22
暇を持て余していらっしゃるそこの自作派の旦那ぁ、今回はまたしても「ちょいと古いシリーズ」・・・ちょい古広帯域アンプの低域特性を改善しようってな試みだぁ、さぁ、お立ち会い、お立ち会いぃ・・・とまぁ変な口上はさておき、今回の趣向は、きっと暇を持て余していらっしゃるそこの自作派の旦那が部品箱に眠らせていそうな広帯域アンプICを、使い易いように少しアレンジして使ってみようという試みです
NEC製の広帯域アンプICには、随分お世話になった気がします。とりわけμPC1651G・・・ペケポン型のミニモールドは在りし日の「亜土電子」で何個か購入し、FM受信用のプリアンプや周波数カウンタの前置バッファなど、いろいろお世話になりました。そして、まだ実験途上であるノイズ・キャンセル用の広帯域アンプでも使ってみようと思うデバイスです。無論、こいつは既にディスコンですが、若松通商さんなど国内でもまだチラホラ見られますし、自分自身も随分前に追加購入した奴を在庫しています。
μPC1651Gの数年後に登場したμPC1677Cは8ピンのDIPタイプで、これも大勢の自作派OM(そんなに居たっけか
)に恩恵を与えたICでしょう。自分も1つだけ持っており何れどこかで使ってやろうと思っていたんですが、「最後の1個」となるとなかなか手付かずとなり、結局「死蔵」の運命に・・・。その後「中華取引の使い手」(
)となり、何気に広帯域アンを物色していると、次のシリーズであるμPC1678Gを日本円で70円くらいの単価で発見
ひとまず10個を購入したもののそうそう広帯域アンプの出番はなく、単に死蔵在庫を増やす格好になってしまいました
このところのヘッポコ実験で部品をひっくり返していたら、この「半死の1678」を発見。丁度ちょっとしたアンプが入り用になるかも・・・と漫然と考えていたこともあり、実は一昨日、密かに小さな基板に組んでみました。
μPC1678Gを含め、この頃の広帯域アンプには出力がオープンコレクタになっているものがあり、終端として適当なインダクタを接続する必要があるんですが、これを逆手に取った「得意な周波数帯が調整できる」というメリットを持っています。自分が使う周波数帯はHF帯ですから、概ね30MHz以下の周波数特性が良好であれば、ちょいと愛でてやろうという気になるわけです
では、カタログ値としての利得の様子はというと・・・

10MHzから100MHzくらいまでの利得は平坦ではなく、とりわけ10MHz辺りはたったの10dB程度の利得に留まっています。それより低い周波数帯では殆ど役に立たないことは明白。ただ、これは推奨回路としての代表的な特性であり、終端用のインダクタのインダクタンス値と入出力コンデンサ容量を大きくすれば、もっと低域まで引っ張れる筈なんですね。そこで、そもそもUHF帯に重きを置いたICに中短波帯を任せられるのか・・・この辺りの実験をやってやろうというのが、今回のヘッポコ実験です。
まずは回路図。

何やら三端子が大威張りの回路図ですが、とにかく出力にインダクタンス値がかなり大きいインダクタ(100μH程度)を置いて低域への周波数延ばしを図ろうとしています。さらに、入出力コンデンサの容量もカタログ値よりかなり大きくしています(0.1μF)。

メインの基板は、少し前から秋月で売っている「Dタイプ」にしました。回路が簡単なためこの基板の大きさでも十二分であり、上手くいかなかった時の"秘策"の部分までパターン化しましたが、どうやら必要なかったようで・・・というわけで、どんな特性になったのか、早速ご披露。

40MHzまでの特性です。測定データとして、この範囲で一番低いゲインの所と高いところ(但し、40MHz付近の跳ね上がりの部分は避けています)の差を取ってみましたが、0.17dB程度の差・・・まずまず平坦と言っていいでしょう。また、HF帯域内の一番ゲインのある所(15MHz付近)との差は0.1dBでした。
さらに怪しげな下の方はというと・・・

5MHzまでのクローズアップです。中波帯の下端付近に赤いアンカーを置いていますが、この辺りまでは十分な利得があり、かつHFの下の方との差が殆どありません。ローバンドを超え、中波帯までカバーする広帯域アンプとしても抜擢できそうですね
今回は、インダクタとして秋月で味見入手した小さなトロイダルコアも使ってみました。周波数特性的には、元祖トロイダルコアたるアミドン・・・ではなくFair-RiteのFT37-43と差異はなく、単価30円のコアも使いようであることが確認できました。#43材は各社のものが市場に出回っており、個々にAL値が違っていますから「巻いて実測」が必要ですが、この仲間に安価な(得体の知れない)コアも入れてやった方が現実的(リーズナブル)かも。無論、シビアな歪み特性を追求するような場面では、IMD特性等も実測した方が良さそうですがね。
IFアンプ製作合間の「つまみ食い」にしては、案外良さげな結果が出て大満足です

NEC製の広帯域アンプICには、随分お世話になった気がします。とりわけμPC1651G・・・ペケポン型のミニモールドは在りし日の「亜土電子」で何個か購入し、FM受信用のプリアンプや周波数カウンタの前置バッファなど、いろいろお世話になりました。そして、まだ実験途上であるノイズ・キャンセル用の広帯域アンプでも使ってみようと思うデバイスです。無論、こいつは既にディスコンですが、若松通商さんなど国内でもまだチラホラ見られますし、自分自身も随分前に追加購入した奴を在庫しています。
μPC1651Gの数年後に登場したμPC1677Cは8ピンのDIPタイプで、これも大勢の自作派OM(そんなに居たっけか




このところのヘッポコ実験で部品をひっくり返していたら、この「半死の1678」を発見。丁度ちょっとしたアンプが入り用になるかも・・・と漫然と考えていたこともあり、実は一昨日、密かに小さな基板に組んでみました。
μPC1678Gを含め、この頃の広帯域アンプには出力がオープンコレクタになっているものがあり、終端として適当なインダクタを接続する必要があるんですが、これを逆手に取った「得意な周波数帯が調整できる」というメリットを持っています。自分が使う周波数帯はHF帯ですから、概ね30MHz以下の周波数特性が良好であれば、ちょいと愛でてやろうという気になるわけです


10MHzから100MHzくらいまでの利得は平坦ではなく、とりわけ10MHz辺りはたったの10dB程度の利得に留まっています。それより低い周波数帯では殆ど役に立たないことは明白。ただ、これは推奨回路としての代表的な特性であり、終端用のインダクタのインダクタンス値と入出力コンデンサ容量を大きくすれば、もっと低域まで引っ張れる筈なんですね。そこで、そもそもUHF帯に重きを置いたICに中短波帯を任せられるのか・・・この辺りの実験をやってやろうというのが、今回のヘッポコ実験です。
まずは回路図。

何やら三端子が大威張りの回路図ですが、とにかく出力にインダクタンス値がかなり大きいインダクタ(100μH程度)を置いて低域への周波数延ばしを図ろうとしています。さらに、入出力コンデンサの容量もカタログ値よりかなり大きくしています(0.1μF)。

メインの基板は、少し前から秋月で売っている「Dタイプ」にしました。回路が簡単なためこの基板の大きさでも十二分であり、上手くいかなかった時の"秘策"の部分までパターン化しましたが、どうやら必要なかったようで・・・というわけで、どんな特性になったのか、早速ご披露。

40MHzまでの特性です。測定データとして、この範囲で一番低いゲインの所と高いところ(但し、40MHz付近の跳ね上がりの部分は避けています)の差を取ってみましたが、0.17dB程度の差・・・まずまず平坦と言っていいでしょう。また、HF帯域内の一番ゲインのある所(15MHz付近)との差は0.1dBでした。
さらに怪しげな下の方はというと・・・

5MHzまでのクローズアップです。中波帯の下端付近に赤いアンカーを置いていますが、この辺りまでは十分な利得があり、かつHFの下の方との差が殆どありません。ローバンドを超え、中波帯までカバーする広帯域アンプとしても抜擢できそうですね

今回は、インダクタとして秋月で味見入手した小さなトロイダルコアも使ってみました。周波数特性的には、元祖トロイダルコアたるアミドン・・・ではなくFair-RiteのFT37-43と差異はなく、単価30円のコアも使いようであることが確認できました。#43材は各社のものが市場に出回っており、個々にAL値が違っていますから「巻いて実測」が必要ですが、この仲間に安価な(得体の知れない)コアも入れてやった方が現実的(リーズナブル)かも。無論、シビアな歪み特性を追求するような場面では、IMD特性等も実測した方が良さそうですがね。
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