古いICで復調回路作りを画策
2017-05-07
この連休はALL JA参戦に始まり、途中出勤日があったことに加えて「我が愛しの宇宙人」・・・否、漸く「ほぼ地球人」に成長した孫娘の所へ遊びに行ったり、伯父の所に「我が血族の歴史」を聞きに行ったりしていたため、工作関係は殆ど手付かずで最終日を迎えました。
ジャン測カウンタの修理と並行して進めていた「水晶発振テスタ」は、ブレッドボードでも良好に動作したためそのまま万能基板にでも組んでしまえば良かったんですが、IFアンプの本格的な実験に必要となるもう一つ組んでおきたい回路部分の検討に手を染めてしまいました
それは、SSB/CWの復調部。低周波アンプも一緒に組み込んでキチンとケースに入れておけば、後々の「受信系の評価」にも使えるものになるだろう・・・ということで、どんなデバイスを使おうか検討を始めました。
本当は、今後よく使いそうなNJM2594を味見がてら使ってみようかと思ったんですが、少し前に部品箱を整理していたら出てきたかなり古いDBM用の超有名(だった)ICを採用することにしました。

LM1496H・・・これは、自分が高校時代に50MHz⇒21MHzのダウンバータを作成する際にローカルから分けて貰ったものです。1つしか持っていないことからなかなか実用品に採用することができず、部品箱でいじけていた次第。丸いCanタイプですが、足を上手く曲げてやれば万能基板にも収まります。これを復調部のメインデバイスとし、後段にオペアンプでちょっとした低周波アンプを組んでしまえば、そこそこ質の良い復調アダプタになるでしょう。
このICに着目して、データシートから回路図を抜き取りました。

実はLM1496Hのデータシートには、12V単電源で動作するSSBのプロダクト検波回路は載っていません。そこで、NJM1496Dのものを参考に抜き取ってきました。ポピュラーな14ピンのものとCanタイプの10ピンのものとではピンアサインが違うため、この部分を修正しています。
キャリア入力のインピーダンスは青色で囲んだ抵抗で決めますが、原本に抵抗値が書かれていなかったことからひとまず51Ωとしました。同様に、SSB入力はオレンジで囲んだ抵抗が入力インピーダンス・・・1KΩが入力インピーダンスとなります。
2,3番ピンの間に挿入される抵抗により、変換ゲインがある程度調整できます。回路図の値としている100Ωではゲインは高く、1KΩ辺りとしてゲインを抑えている回路もありますから、この辺りは組んだ際の調整要素でしょう。
赤で囲んだ抵抗とコンデンサはいわゆるE12系列には無く、自分としては新たに購入する必要がありますが、別にE12系列の近似値で納めてしまっていいようにも思います。
着目すべきさらなるポイントは、AF出力にRCでLPFが組まれている点です。実際の受信機にする際には、この辺りが「聞き易さ」に寄与する部分ですが、IF信号を復調したオーディオ出力をピュアに評価するには邪魔になるかも知れない・・・ということで、AF出力のインピーダンスを10KΩとしてこの部分をシミュレーションしてみました。

SSB(3KHz)或いはAM(6KHz)は遜色ない程度に透過させ、それより高い不要なオーディオ信号・・・即ちノイズを軽減する様な形になっています。まぁ、それ程目くじらを立てなくても良さそうですね
後段のAFアンプを含めた回路図は既に作成済みですが、こいつはきっと完成まで持って行きますから「次回」のお楽しみ・・・ってことで、GW休みの工作関連作業はこれにて。
修正 17/05/09>
LPFのシミュレーションの際、抵抗値を間違えました。グラフを差し替え・・・かなり広域まで減衰なしのようです。
ジャン測カウンタの修理と並行して進めていた「水晶発振テスタ」は、ブレッドボードでも良好に動作したためそのまま万能基板にでも組んでしまえば良かったんですが、IFアンプの本格的な実験に必要となるもう一つ組んでおきたい回路部分の検討に手を染めてしまいました

本当は、今後よく使いそうなNJM2594を味見がてら使ってみようかと思ったんですが、少し前に部品箱を整理していたら出てきたかなり古いDBM用の超有名(だった)ICを採用することにしました。

LM1496H・・・これは、自分が高校時代に50MHz⇒21MHzのダウンバータを作成する際にローカルから分けて貰ったものです。1つしか持っていないことからなかなか実用品に採用することができず、部品箱でいじけていた次第。丸いCanタイプですが、足を上手く曲げてやれば万能基板にも収まります。これを復調部のメインデバイスとし、後段にオペアンプでちょっとした低周波アンプを組んでしまえば、そこそこ質の良い復調アダプタになるでしょう。
このICに着目して、データシートから回路図を抜き取りました。

実はLM1496Hのデータシートには、12V単電源で動作するSSBのプロダクト検波回路は載っていません。そこで、NJM1496Dのものを参考に抜き取ってきました。ポピュラーな14ピンのものとCanタイプの10ピンのものとではピンアサインが違うため、この部分を修正しています。
キャリア入力のインピーダンスは青色で囲んだ抵抗で決めますが、原本に抵抗値が書かれていなかったことからひとまず51Ωとしました。同様に、SSB入力はオレンジで囲んだ抵抗が入力インピーダンス・・・1KΩが入力インピーダンスとなります。
2,3番ピンの間に挿入される抵抗により、変換ゲインがある程度調整できます。回路図の値としている100Ωではゲインは高く、1KΩ辺りとしてゲインを抑えている回路もありますから、この辺りは組んだ際の調整要素でしょう。
赤で囲んだ抵抗とコンデンサはいわゆるE12系列には無く、自分としては新たに購入する必要がありますが、別にE12系列の近似値で納めてしまっていいようにも思います。
着目すべきさらなるポイントは、AF出力にRCでLPFが組まれている点です。実際の受信機にする際には、この辺りが「聞き易さ」に寄与する部分ですが、IF信号を復調したオーディオ出力をピュアに評価するには邪魔になるかも知れない・・・ということで、AF出力のインピーダンスを10KΩとしてこの部分をシミュレーションしてみました。

SSB(3KHz)或いはAM(6KHz)は遜色ない程度に透過させ、それより高い不要なオーディオ信号・・・即ちノイズを軽減する様な形になっています。まぁ、それ程目くじらを立てなくても良さそうですね

後段のAFアンプを含めた回路図は既に作成済みですが、こいつはきっと完成まで持って行きますから「次回」のお楽しみ・・・ってことで、GW休みの工作関連作業はこれにて。
修正 17/05/09>
LPFのシミュレーションの際、抵抗値を間違えました。グラフを差し替え・・・かなり広域まで減衰なしのようです。
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早くも夏模様ですね^^;
こんにちは!
Canタイプの1496懐かしいですね・・・自分も譲っていただいた記憶があります、ジェネレータ基板と一緒に。ICだけハンダ付けしてそのまま腐海に眠っていると思います^^;
周辺部品が多めで使い辛い印象はありますが、SN76514と比較して性能は上だったんでしたっけ?いまも秋月でDIP版が売られているのはちょっと驚きです。
いよいよ受信部の全容が拝めそうで大変わくわくしております。
Canタイプの1496懐かしいですね・・・自分も譲っていただいた記憶があります、ジェネレータ基板と一緒に。ICだけハンダ付けしてそのまま腐海に眠っていると思います^^;
周辺部品が多めで使い辛い印象はありますが、SN76514と比較して性能は上だったんでしたっけ?いまも秋月でDIP版が売られているのはちょっと驚きです。
いよいよ受信部の全容が拝めそうで大変わくわくしております。
暑くて寝苦しかったり・・・
ぶんきゅうさん、こんにちは。
懐かしいでしょう(^^;) 1496は変換ゲインが結構稼げるため、全体のレベル配分が楽になりますね。キャリアバランスもかなり良好に調整できるようで、本当はSSBジェネレータに採用する方がよいでしょう。
プラマイ電源動作のICのため外付けでバイアス回路を工夫する必要があり、抵抗だらけのイメージがありますから、後発のSN16913Pの方が圧倒的に流行った記憶があります。こちらは、キャリアがなかなか引っ込まず苦労しました(今は亡き、15mのモノバンドTRXに使いました)。
「全容」までまだ道のりは遠そうですが、何とか頑張りたいと思っています。
懐かしいでしょう(^^;) 1496は変換ゲインが結構稼げるため、全体のレベル配分が楽になりますね。キャリアバランスもかなり良好に調整できるようで、本当はSSBジェネレータに採用する方がよいでしょう。
プラマイ電源動作のICのため外付けでバイアス回路を工夫する必要があり、抵抗だらけのイメージがありますから、後発のSN16913Pの方が圧倒的に流行った記憶があります。こちらは、キャリアがなかなか引っ込まず苦労しました(今は亡き、15mのモノバンドTRXに使いました)。
「全容」までまだ道のりは遠そうですが、何とか頑張りたいと思っています。