CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その7)
2017-08-15
先週の金曜日から長めの夏休みに突入しました。初日は比較的涼しかったんで、へたれる前にと、6月の頭からぶん回し続けているエアコン掃除をし、翌日は一族恒例となった夏の食事会・・・孫娘中心の会になってしまうのは兎も角、普段と違う動きを余儀なくされるためにクタクタとなった上、またしてもぶり返してしまった風邪っぽい症状も相まって、一昨日は休養に当てました。普段は「鼻水」とは縁遠いんですが、一年分鼻をかんだ気がします
昨日も引き続きノンビリ過ごしつつ、午後遅くになってから例のクリスタルフィルタを基板に組み込み始め、今日は単体での味見実験を行いました。この辺りをまとめたいと思います。

まずは基板に組んだ様子。TAKACHIの宣伝みたいになっていますが、「TNF 29-44」を使いました。そこそこコンパクトに収まりましたが、実はこれより一回り小さい基板があって、そちらに組んだ方がもう少しコンパクトになりそうです。

スルーホール付きの基板なんで不用意なショートを起こさぬよう、水晶発振子を少し浮かすべく、百均で手芸用のビーズを買ってきました。1mmちょいは浮かすことができる上、100円でそれこそ”一生分”手に入ります
他のシチュエーションにも使えそうですね。
さぁ、測定結果を・・・と、その前に、測定のノウハウについて。
まずはグランド。APB-3をネットワークアナとして接続すると、基板が小さいことから「中空」で接続するような格好になり、グランドレベルが安定しません。そこで、何かの金属板をグランドに見立て、その上に配置するようにするなどの工夫が要ります。特にノイズレベル程度の低いレベルまでの測定になりますから、この辺りの「環境整備」が必要になります。

今回はまだ味見実験ですから、とりあえずアルミケースにタッパーのフタを絶縁板として、大きな洗濯ばさみで固定しています。これなら、着脱自在ですね。
もう一つは、入力側のコネクティングです。入力側には高周波信号を与えるわけですが、これが出力側にそのままリークすると具合が悪いことになります。フィルター回路では当たり前ですが、兎に角これを極力少なくするようにしなければなりません。そこで今回は、入力側のコネクタ付近に銅テープでシールドを施しています。上のスナップでは、丁度黄色い洗濯ばさみに隠れてしまっています
アップでスナップを撮っておくべきだった・・・。
この2つの対策で漸く、入力信号から-100dBくらいの信号が安定して読み取れるようになりました。それでは、測定結果を。

味見測定ということで、このフィルタの入出力インピーダンスである200Ωに抵抗で整合を取っているだけですが、ブレッドボードでのお巫山戯測定と比較してかなり低いレベルまでキチンと特性が取れています。ただ、-50dBから上の特性は、ブレッドボードのものとそれ程変わりませんね。
通過帯域の天辺から60dBダウンでの帯域幅は800Hz強ありますが、かなり切れるフィルタであることが判ります。さらにノイズレベルまでの差は80dB程度はありそうですから、IFゲイン高めの受信でも十分な減衰量が確保されると考えてよさそう。
さて、ここでもう一つ意地悪な測定をしてみました。

フィルタのインピーダンス整合をわざと悪くしてみました。明らかに通過帯域の特性が劣化したのが判ります。この辺りがクリスタルフィルタ製作の秘訣なんでしょうが、こうして目の当たりに見ておくのもヘッポコ実験の醍醐味
まぁざっと、こんな風に「素」の特性を見ることができました。ここからは入出力の整合・扱いに関して、より「実機に用いる」という観点でもう少し掘り下げてみようと思います。もう一回ぐらいお付き合い頂きましょうかね・・・って、誰に

昨日も引き続きノンビリ過ごしつつ、午後遅くになってから例のクリスタルフィルタを基板に組み込み始め、今日は単体での味見実験を行いました。この辺りをまとめたいと思います。

まずは基板に組んだ様子。TAKACHIの宣伝みたいになっていますが、「TNF 29-44」を使いました。そこそこコンパクトに収まりましたが、実はこれより一回り小さい基板があって、そちらに組んだ方がもう少しコンパクトになりそうです。

スルーホール付きの基板なんで不用意なショートを起こさぬよう、水晶発振子を少し浮かすべく、百均で手芸用のビーズを買ってきました。1mmちょいは浮かすことができる上、100円でそれこそ”一生分”手に入ります

さぁ、測定結果を・・・と、その前に、測定のノウハウについて。
まずはグランド。APB-3をネットワークアナとして接続すると、基板が小さいことから「中空」で接続するような格好になり、グランドレベルが安定しません。そこで、何かの金属板をグランドに見立て、その上に配置するようにするなどの工夫が要ります。特にノイズレベル程度の低いレベルまでの測定になりますから、この辺りの「環境整備」が必要になります。

今回はまだ味見実験ですから、とりあえずアルミケースにタッパーのフタを絶縁板として、大きな洗濯ばさみで固定しています。これなら、着脱自在ですね。
もう一つは、入力側のコネクティングです。入力側には高周波信号を与えるわけですが、これが出力側にそのままリークすると具合が悪いことになります。フィルター回路では当たり前ですが、兎に角これを極力少なくするようにしなければなりません。そこで今回は、入力側のコネクタ付近に銅テープでシールドを施しています。上のスナップでは、丁度黄色い洗濯ばさみに隠れてしまっています

この2つの対策で漸く、入力信号から-100dBくらいの信号が安定して読み取れるようになりました。それでは、測定結果を。

味見測定ということで、このフィルタの入出力インピーダンスである200Ωに抵抗で整合を取っているだけですが、ブレッドボードでのお巫山戯測定と比較してかなり低いレベルまでキチンと特性が取れています。ただ、-50dBから上の特性は、ブレッドボードのものとそれ程変わりませんね。
通過帯域の天辺から60dBダウンでの帯域幅は800Hz強ありますが、かなり切れるフィルタであることが判ります。さらにノイズレベルまでの差は80dB程度はありそうですから、IFゲイン高めの受信でも十分な減衰量が確保されると考えてよさそう。
さて、ここでもう一つ意地悪な測定をしてみました。

フィルタのインピーダンス整合をわざと悪くしてみました。明らかに通過帯域の特性が劣化したのが判ります。この辺りがクリスタルフィルタ製作の秘訣なんでしょうが、こうして目の当たりに見ておくのもヘッポコ実験の醍醐味

まぁざっと、こんな風に「素」の特性を見ることができました。ここからは入出力の整合・扱いに関して、より「実機に用いる」という観点でもう少し掘り下げてみようと思います。もう一回ぐらいお付き合い頂きましょうかね・・・って、誰に

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整合は大切ですね
きれいな特性ですね!さすがです
整合がとれないとやはりリップルが出るんですね、参考になりました
整合がとれないとやはりリップルが出るんですね、参考になりました
案外クリティカル・・・
JK1QJSさん、こんにちは。
はい、入出力のインピーダンス整合が大きなファクタであることが判り、次の記事でももう少し追試しています。
フィルタ単体での測定では入出力条件を簡単に整えられますが、これが実機へのインストールとなると「回路条件」になりますから、設計段階での意識とは別に「組み込んだ後の整合」のような部分があった方が良さそうに思っています。
また寄って下さいね・・・(^^)/
はい、入出力のインピーダンス整合が大きなファクタであることが判り、次の記事でももう少し追試しています。
フィルタ単体での測定では入出力条件を簡単に整えられますが、これが実機へのインストールとなると「回路条件」になりますから、設計段階での意識とは別に「組み込んだ後の整合」のような部分があった方が良さそうに思っています。
また寄って下さいね・・・(^^)/