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MC1350アンプの味見

2017-10-13      
 前回記事から3週間・・・私的には多分今週末一杯、仕事的には来週一杯までは忙しい状態が続きそうです。この3週間の間に季節はすっかり秋に変わったと言ってよさそうですが、ホンの数日前までは夏日を記録していたわけで、今年はやはりちょっと変わった秋の迎え方になりました。果たして、我が家の前のケヤキ通りはきちんと色付くんでしょうかねぇ

 IFアンプの製作を進めるべく、まずはMC1350単体の味見を・・・とその前に、このアンプ単体で得られる利得を打ち消して、APB-3等で測定するのに取り回しが楽になるよう、50dBのアッテネータを作りました。



 入出力にそれぞれ6dBのπ型アッテネータを配し、その間を7.5KΩ(15KΩを2本並列)で接続した簡易なものです。特性はご覧の通りです。



 500KHzから15MHzくらいまでの間は凡そ-50dBをキープしていますが、その上のHF帯+α(40MHzくらい)までは0.5dB以内の誤差には収まっています。普通のカーボン抵抗で作りっぱなしですから、こんなもんでしょう

 さて、MC1350単体の味見は、以下のような回路をちょっと高周波的に良さげな"改良ブレッドボード"に組みました。



 AGCはグランドに落とすとこのICの最大利得になります。以下、AGCはグランドに落として測定しました。

 測定結果の前に・・・データシートから算出した入出力インピーダンスの様子を再掲載。



 それでは、入力インピーダンスから。上の回路図のRinには何も接続せず、このICの入力インピーダンスを直接測りました。



 データシート計算値と比較的近い傾向です。HF帯の低い方・・・10.7MHz以下は数KΩ~5KΩと考えていいでしょう。これなら”FETアンプ程度”と考えれば良いわけで、そんなに苦労なくマッチングできそうです。

 一方、出力インピーダンスはというと・・・。



 これは、出力インピーダンスを測定する際に終端するインダクタンスに引っ張られる形でしか上手く測定できませんでした。このグラフの赤線は4mHのインダクタ、青線がFB801-43に0.26ΦのUEWを8回巻きした100μHのコイル使用時の特性です。その他、幾つかのマイクロインダクタで測定しましたが、そのコイルの自己共振周波数のインピーダンスを測定しているような格好になるだけで特性の見極めができませんでした。

 まぁ出力側は、実際のアンプとしての動作をさせながら考慮した方が良かろうと、ゲインの測定を行いました。この時の入力インピーダンスはRinを無接続、820Ω、51Ω、出力インピーダンスはFB801-43に0.26ΦのUEWを4回・・・凡そ27μHのコイルを接続した状態でやってみました。



 上がRin無接続、下が51Ωの時です。Rin無接続と820Ωでは殆ど差が無かったこと、逆に51Ωとすると全体ゲインが7,8dBほど落ちてしまいますから、このICの入力については、接続する回路の出力インピーダンスを数百Ωから数KΩ程度に上げてやることが肝要なようです。

 出力インピーダンスは上記の結果からだけではきちんと導き出せませんが、3MHzで27μH・・・500Ω程度のインピーダンスでしっかり利得が稼げるようですから、”どよよんラボ”としては一つの指標として「出力インピーダンスは500Ω以上で整合」という結果にしようと思います。
 ちなみに、出力コイルと並列に51Ωの抵抗を接続すると、ゲインが20dB少々でフラットになります。この辺り、広帯域アンプの挙動と似ています。

 上記をまとめると、以下のような感じでしょうか。

 ◆前提:HFの下の方(数MHz~10.7MHz)
 ◆入力インピーダンス:数百~数KΩとしてマッチング
  Rinを適当に置いてやる
 ◆出力インピーダンス:500Ω~数KΩとしてマッチング可能
  数十Ωでは利得低下
 ◆上記を守ればゲインは40dB以上取れそう

 漸く実験結果がブログに掲載できました。次回はこのIC単体で、先に作ったクリスタルフィルタ(入出力インピーダンス200Ω)を前提に、入出力の整合を含めたブレボ実験を続けたいと思います が、ここ来週一杯くらいまでは手が付くかどうか
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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