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HPFの特性と減衰極

2018-06-23      
 相変わらず”W杯中心”で予定を立てていたりします。直前記事でも触れたように波乱含みの展開で”強さ”の定義が大きく揺らいでいますが、だからこそ面白い・・・って話は置いといて、さっさとヘッポコ実験報告へ。

 ノイズキャンセラに具備するノイズアンプの入力には広範な信号が加わりますが、数百KHz以下の”生活ノイズ”は簡単に遮断できても、中波ローカル局の強烈な信号についてはしっかり考慮しておかないと、このアンプが簡単に飽和してしまいます。

 今回使用予定のノイズアンプは手持ちの多い古参IC”μPC1678G”ですが、このアンプのカタログスペックはそもそもUHF帯のものであり、大きなRFCを抱かせて中波帯まで引っ張るような使い方ではこれらカタログ値を鵜呑みにはできません。そこで、7MHzでIMDを実測するとOIPは”22dBm”となりました。ここからICの利得(実測で21.7dB)を引いた値がIIPとなりますので、丁度0dBmくらいがIIPになりました。

 この「IIP=0dBm」をSメータ換算にすると”S9+77dB”ということになります。過去に何度か実験した”Mini Whip”で、我が家で一番強力なNHK東京第二をTS-590Dで受信してもそこまで強くなく、せいぜい”S9+50dB”といったところ。マージンが30dB近くありますからあまり神経質にならなくて良さそうなものの、まぁ適当なHPFを”精神的免罪符”として入れて軽く減衰させておいても良かろうと、ノイズアンプの前にHPFを入れることにしました。

 まずはシミュレーションから。



 HPFの計算サイトで5ポールのチェビシェフ(帯域内リプル0.05dB以内)として計算、入出力インピーダンスは50Ωです。

 我が家で一番強力なNHK東京第二は693KHzですが、その辺りの減衰量は50dB程度と十分です。次に強力な文化放送は1134KHzで減衰量は26dB程度・・・この辺りは気休めになってしまいますが、まぁ良しとしましょう。では、実際に回路を組んで実測。ちなみに、コイルはT37-2に0.32φのUEWを28回巻きで凡そ3.4μHとなりました。



 手前側の半分がグランドになるよう加工したこのブレッドボードは、水晶フィルタの自作で重宝した奴です。



 シミュレーション結果と殆ど同じになりました この場合、やはりLTSpiceが凄いんだということになりますね。

 実験自体はここまでで良かったんですが、どうしてももう少し減衰させたい場合は”減衰極”を入れて対処することになる・・・というわけで追加実験。出力側のコンデンサ(C3)と並列に20μHのマイクロインダクタ(10μH×2)を入れてみました。



 計算上は16μHくらいが良さそうなんですが、なかなかイカす結果でしょ 丁度文化放送の周波数辺りが60dB近く減衰しているのが判ります。160mバンドに少し暴れが現れましたが、一番ロスが大きいところ(2.1MHz付近)で2dB弱です。今回はここまでしなくても・・・とは思いつつも、ひょっとしたら入れてしまうかも

 これでHPF関連実験も完了、実際の製作まであと少し・・・のはずですが、どうなることやら
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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